佐賀県生産振興部、佐賀大学農学部、株式会社オプティムはIoT、ドローンなどを利用した農業IT分野において三者連携協定を行うことを発表した。佐賀大学農学部の農業に関する基礎的な学術知見、佐賀県の農業に関する実用的な知見・ノウハウ、オプティムのIoTテクノロジーを融合させ、世界No.1となるIT農業の実現を目指す。
■三者連携協定の背景
農業県である佐賀県では、「いちごの品種別作付面積のうち、佐賀県独自品種「さがほのか」の作付面積が全国2位(2014年産)」、「ハウスみかん生産量全国1位(2014年産)」、「佐賀牛の大阪中央卸売市場への出荷頭数1位(2013年産)」など、全国に誇れる農産物が数多くあります。一方で、農業を取り巻く多くの担い手の高齢化や減少、農業所得の伸び悩みや、依然として発生が続く有害鳥獣被害などの課題があります。
佐賀大学農学部および佐賀県では、こうした状況に的確に対処し、将来にわたり佐賀農業を発展させていくために、なお一層の生産性の向上や次世代への技術伝承を円滑におこなうことが重要であり、そのアプローチの手段の一つとして、IT技術の活用も有効な取り組みであると考え、研究開発の検討を進めておりました。
また、オプティムはパソコンやスマートフォンのみならず、2014年よりIoT、ドローン、ネットワークカメラ、ウェアラブルデバイスなどの、「遠隔制御技術」、「画像解析技術」、「ビッグデータ解析技術」の研究開発を進めてまいりました。
こうした中、今回の産学官の三者による連携協定を行うことで、各々が持つ技術の融合を図り、技術開発の効率化、加速化、高度化、そして、現場技術として、生産者の方に着実に適用できるものが構築されると期待し本締結にいたりました。三者は本締結により、「楽しく、かっこよく、稼げる農業」の実現を佐賀より実現してまいります。
■三者連携協定の方向性
オプティムならびに、佐賀大学農学部と佐賀県生産振興部は、佐賀県が世界No.1のIT農業県となり、以下の三つのビジョンを達成するべく、三者にて連携いたします。
(1) 世界No.1農業ビッグデータ地域を目指す
佐賀県が保有する農業試験研究機関の圃場※1、および、佐賀大学が保有する圃場の全てにおいて、ドローン、IoT、ウェアラブル端末を活用し、あらゆるデータをクラウドに蓄積します。
ドローン活用においては、上空から農地をデジタルスキャニングし、デジタルスキャニングビッグデータ解析サービス「SkySight」にてデータの蓄積を行い、蓄積されたビッグデータを解析して病害虫の早期発見や生育管理を手軽に行えるようになることで、人材不足の解決と効率的な農作業(施肥、雑草・害虫・鳥獣害防除、収穫)を目指し、研究・実践していき、世界No.1農業ビッグデータ地域を目指します。
(2) ウェアラブルでつながる世界で一番、楽しく、かっこいい農業ができる地域を目指す
農業が直面している課題である、「就農労働者の減少」、「後継者不足」、「技術伝承の難しさ」を解決するために、遠隔作業専用スマートグラス「Remote Action」などのウェアラブル端末を活用して技術支援を行い、農家の方々へ必要な情報を発信するツール、プラットフォームを提供し、世界で一番楽しく、かっこいい農業ができる地域を目指します。
(3) IoTで安心で美味しい食品を届ける世界No.1県を目指す
IoTを活用して、作物の状態管理を行うことで、より高品質な農作物の生産を目指し、安心で美味しい食品を届ける世界No.1県を目指します。