JA茨城旭村、1個ずつ情報がトレースできる高糖度メロンをマレーシアへ輸出

 茨城県にあるJA茨城旭村は、県産のクインシーメロンのマレーシアへの輸出を開始する。茨城県のメロン出荷量は全国一位。13年のメロン出荷量は3万6500トンと国内全体の23%を占めているが、国内市場における価格競争や農家の高齢化も進んでいることから、大きな海外市場へ活路を見出し、農家の所得向上を目指す。

今回は約1kgのクインシー・メロン1250個(250箱)を出荷した。商品は13度以上の糖度をもつメロンだけをマレーシアの食品輸入会社(JMG)を通じて輸出し、冷蔵にて約3週間かけて船便で運ぶ、という。富裕層をターゲットにしており、日本での価格より高い1個4000円程度で、今月下旬から六月上旬にかけて現地の高級スーパーなどに並ぶ予定。

メロン1個ずつ、光センサーによって糖度を計測し、QRコードによってメロン1個ずつの生産者情報や栽培履歴をトレースできる、という。光センサーによる糖度測定システムは2003年にJA茨城旭村と三井金属が共同開発したもの。

国内では北海道産や熊本県産のメロンで既に輸出の実績がある。財務省によると14年には187トンが輸出されたが、その8割以上が香港だった。これに対しマレーシアは2.8トンと少ないが、JA茨城旭村ではマレーシア市場を手始めに、今後はタイやシンガポールにも販路を広げていきたい、という。