日鉄住金鋼板は複数社と連携し、低コスト型植物工場装置開発を行う。同社では5月7日、農林水産省が実施する「H27年度、農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業」に、同社が提案する鋼板・パネル技術を用いた連携プロジェクトが採択されたと発表した。
同社では、苗生産大手のベルグアース株式会社、株式会社朝日工業社、ツジコー株式会社、デザイナーフーズ株式会社とコンソーシアムを組成し「新規低コスト完全人工光型栽培装置の開発」を図る。ベルグアースでは、一部のトマト苗を人工光植物工場にて生産しており、ツジコーは子会社の日本アドバンストアグリにて、ストレス栽培による機能性野菜の生産を行っている。
プレスリリースによると、ランニングコストが高くなる要因として、既存の閉鎖型植物工場で使用されている人工光は蛍光灯であるため電力費が、更にその蛍光灯の発熱により工場内の空調費が嵩むことが挙げられる。LED 照明化することで発熱は抑えられるが、栽培に必要な光強度の確保・光照射の均一性・波長組成による植物生育の違いという課題がある。
日鉄住金鋼板は、これまでに各種機能性塗装鋼板・蓄熱蓄冷機能を有する省エネ壁パネルの開発に取り組んできた。これら上述の課題に対して、効率良く且つ均一に必要な強度の光が植物に届くような高反射型塗装鋼板の仕様検討を行い、照明LED 化を目指す。
また、蓄熱蓄冷機能を付与した新規パネル開発品を壁材として使用することで、もう一段の工場内空調負荷の低減を図る。更に、壁材の室内側鋼板に機能性塗装鋼板を適用して植物工場内の高衛生化を図り、植物の安定生産に結びつける、という。
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