矢野経済研究所は2014年2月14日、国内の植物工場運営事業市場について国内市場規模と今後の市場推移・予測を発表した。植物工場運営市場は順調に成長を続けると見られ、2025年には合計で1500億円市場に成長すると予測している。
完全人工光型植物工場の2013年の国内市場規模は33億9600万円(見込み)。
同市場においては2009年時の約2.5倍に当たる企業・工場が作物の生産・販売事業を行っており、参入が活発化していることが見える。
また、生産品目はリーフレタス類が中心であるが、生鮮機能性野菜や健康食品などの原料生産、イチゴや結球レタスの実用化など、生産作物の多様化の傾向も見え始めているという。さらに、蛍光灯を利用するものから、LED照明の採用も増えているという。
太陽光・人工光併用型及び太陽光利用型の2013年国内植物工場運営事業市場規模は199億1900万円(見込み)。併用型では主にリーフレタスを始めとした葉菜類など、一方の太陽光利用型は主としてトマト、パプリカ、イチゴなど果菜類、またホウレンソウ、レタス類などの葉菜類が生産されている。
今後は、国内の完全人工光型運営事業市場は、2015〜2016年のLED植物工場の本格普及により飛躍期を迎え、2015年に131億9000万円まで拡大すると同社は予測している。
同時期には、低コスト化や生産作物の多品種化、省エネ・創エネ施設の併設、海外展開などが進展することも期待されており、その後、低カリウム野菜・果物など機能性野菜市場が発展することと合わせ、2018年には200億8200万円となる見込み。
さらに2020年から2025年にかけて生薬、医薬品原料など超高付加価値製品市場の発展期に入り、2025年には443億3800万円まで拡大すると予測している。
一方、国内の併用型及び太陽光利用型植物工場は、国による次世代施設園芸事業の推進政策を受け、民間企業からの積極的な参入が見込まれている。
今後、太陽光利用型市場は大規模工場建設の増加、また併用型市場については、太陽光利用型工場への人工光導入による補光などで発展すると見られ、併用型及び太陽光利用型植物工場の国内運営事業市場規模は2015年270億5200万円、2020年814億1400万円、2025年1056億9000万円と拡大していくと同社は予測している。
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