丸紅、苗生産の大手ベルグアース、完全人工光型植物工場を運営するみらいの3社は、中国の農業生産法人を対象に、日本の農業ノウハウを活用した苗から栽培までの一貫施設栽培(ハウス栽培)システムを販売展開することで合意し、中国の江蘇省南通市・山東省平度市の2ヶ所の施設で栽培実証を開始した。
設置した栽培システムは、ベルグアースが日本同様に生産した高品質・減農薬の野菜苗を使用し、丸紅が肥料・水分の保持力に優れた人工土壌『ヴェルデナイト』等の栽培用資材を供給する。
また、みらいが保有する人工光利用型植物工場・水耕式栽培装置の販売事業を通して培った、安心・安全・高品質の栽培技術も活用する。
中国は近年、食料増産の手段として施設栽培を急激に増やしています。現在では300万haを超え(日本の約60倍)、全世界の80%を占める世界最大の施設栽培国となり、更に毎年7万haの施設が新設されています。
加えて、人口増加・食生活の変化に対応すべく、これら施設栽培においても、多施肥・多農薬・連作を繰り返し、その結果、土壌障害問題が多発しています。
更に異常気象や水不足も重なり、農産物の生産性低下という深刻な状況に直面しており、現状打破の為の革新的農業技術の導入が重要課題となっています。
※ 植物工場ベンチャーの「株式会社みらい」は破綻。別会社へ事業譲渡され、MIRAI株式会社として事業を継続中
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