IBM、業種カスタマイズ型のAIツールセットを公開。農業ビッグデータもAIが解析

 IBMは、農業、カスタマーサービス、人事、サプライチェーン、製造業、ビル管理、自動車、マーケティング、広告など、さまざまな業界・業種向けに事前学習済みの新しいWatsonソリューション・サービスを発表した。

IBM、業種カスタマイズ型のAIツールセットを公開。農業ビッグデータもAIが解析
「データフローが増え続ける現在、私たちは日々対応しなければならない情報の多さに圧倒されています。しかし幸いなことに、この情報爆発は新たな技術的進歩と同時に起こっています。その進歩とは、人工知能です。

今やいつでも使い始められるものとなったAIは、仕事をする人がデータを活用するうえで必須のツールとなっています。日々の仕事における新しい可能性を誰もが発揮できるようにするためには、汎用AIを特定の業界や業種に適応させることが非常に重要です」

と、IBMのコグニティブ・ソリューション担当SVPであるデイビッド・ケニー(David Kenny)は述べています。

農業分野におけるAIの活用「AIを食卓へ」

この度、IBM はWatson Decision Platform for Agricultureを全世界で提供開始します。このプラットフォームは天気、IoT化されたトラクターおよび灌漑装置、衛星画像など、多数の経路からデータを収集し、農地に関する包括的で一元化された予測データを、使いやすいアプリの中で視覚的に提示します。

IBM、業種カスタマイズ型のAIツールセットを公開。農業ビッグデータもAIが解析
これにより、個々の農業従事者はより多くの情報に基づいて判断するためのサポートを得て、生産量の向上に役立てることができます。たとえば、AIによる画像認識機能を用いることで、農業従事者はある種の病虫害のタイプや深刻度を特定し、農薬を撒くべき箇所を判断することができます。また、水の使用量を予測することで、無駄をなくし、費用の節約に役立てることもできます。

Roric Paulmanがネブラスカ州に所有する10,000エーカーの耕作地はIBM Watsonを活用し、この秋、新時代を迎えようとしています。同氏が農地の生産性向上に役立てるためにAIを利用するのは、今回が初めてです。

農業はこれまでもデータ集約型の事業でしたが、近年、そのデータセットは爆発的に増大しています。現在、Paulman氏の農地からは毎月1テラバイトもの情報が生み出されています。トラクターは自身の動きを追跡・保存し、灌漑装置は1秒ごとの水流を、噴霧機は自身が噴出させたものを記録しています。

「この情報の一元化にはこれまで誰も取り組んでこなかったのです。私はこういったものを待ち望んできました。IBMはその実現にふさわしい、信頼のおける企業です」とPaulman氏は述べています。

Watson Decision Platform for Agricultureについて
https://business.weather.com/blog/evolution-modern-agriculture