都市型農業の未来は明るい?! NYC AgTech Week 2017から考える都市農業の「今」①

2017年9月16日からの6日間、ニューヨーク市にて開催された都市農業イベント「NYC Agtech Week 2017」。屋上ファームや完全人工光型植物工場、配達農業(Distributing Farming)に挑戦するキノコ生産など、最新事例を通じて「なぜ?多くの起業家が都市型農業ビジネスに参入するのか?」その本質を探っていく。


1. NYC Agtech Week 2017について

 イーストリバー越しにマンハッタンの高層ビル群を臨むニューヨーク市ブルックリン区。1970年代以降の相次ぐ工場閉鎖を受けて犯罪者の巣窟となった「不潔な街」は、21世紀に入り、創造的な若者が集まる「流行の発信拠点」へと、華麗な変貌を遂げつつある。

2017年9月16日からの6日間にこの地区を中心として開催された都市農業イベント「NYC Agtech Week 2017」も、そのような「新しいブルックリン」を象徴していると言ってよいだろう。


 このイベントを主催するNYC Agriculture Collectiveは、ニューヨーク市の農業生産者、技術者、起業家などで構成される共同体組織であり、実質的にはブルックリン区ブッシュウィックに拠点を置く都市農業コンサルティング企業Agritecture Consulting社が中核的役割を果たしている。

彼らの狙いは、ニューヨーク市内各地の農場見学や、講演会、展示、公開討論、相互交流、懇親会などを通じて、都市農業の注目度を高めることにある。

都市型農業の未来は明るい?! NYC AgTech Week 2017から考える都市農業の「今」ブルックリン区に位置するAgritecture Consulting社の事務所内観[筆者撮影]


 第3回目の開催となった「NYC Agtech Week 2017」には、新たなアイデアや投資機会を求め、国内外から合計約500人もの都市農業起業家、大学関係者、商社、精密機器メーカーなどが集まった。

もちろん植物工場に代表される都市農業技術は、まだ社会実験の域を出ていないのが実態ではあるが、世界有数の大都会ニューヨークには、今後、都市農業が征服し得る広大な空白領域が広がっていて、それこそが名門大学を卒業した若い起業家達を、私財も惜しまぬ社会実験へと駆り立てている。

投稿者プロフィール

八隅 裕樹
八隅 裕樹
・神戸大学経営学部 卒(2012年)
・兵庫県信用農業協同組合連合会 入会(2012年~現在)
・コロンビア大学ビジネススクール 客員研究員(2017年~現在)

【資格】
・中小企業診断士 ・応用情報技術者

【研究】
・農業、食品産業 ・農業金融、協同組合金融 ・金融・経済史