植物工場や施設野菜の生産者が流通・販売面で連携。野菜BANKを設立

※2017年9月22日 記事修正
 全国の施設野菜や植物工場の運営者や生産者が2011年4月、業界初の連携組織「一般社団法人施設野菜バンク」(野菜BANK)を設立する。会員企業間での連携をはかり、生産数量・流通チャンネルの確保と競合との差別化をはかる狙いがある。事務局は、法律事務所MIRAIOが担当する。

植物工場の建設は、閉鎖・人工光型だけでなく、太陽光利用型も農地法対象外になるケースが多く、農協など既存流通チャンネルとの関係が希薄になる。

特に完全人工光型植物工場は、施設規模が小さく・出荷量も少ないことから、大手の小売・外食企業などが求める取引数量に応えることができないこともあり、各会員間にて商品を集約しながら、交渉を優位に運ぶことができる。

 今後は、共同配送や販売の仕組みを構築しながら、共通ブランドを立ちあげる計画。また、栽培ノウハウなどの共同管理・利用なども含め、事務局が、知的財産権や商品イメージを保護していく。当面は全国30社の会員を目標としている。

植物工場による生産者などに魅力が伝わらず活動中止

 現在(2017年9月22日時点)、組織による活動は行っていません。当初は、完全人工光型植物工場にて低カリウム野菜を生産する「会津富士加工」や植物工場に関するプラントや資材メーカー(例えば、閉鎖型におけるフリルレタス種子では最も採用されている雪印種苗など)も参画。

太陽光を利用したドーム型の植物工場を運営するグランパの関連企業、その他の施設水耕栽培の生産者など、確認できるだけで正会員は12社が参加しておりました。

 植物工場にて野菜を生産する側からみると、高値で販売できる安定的な販路を、栽培ノウハウの共有やブランド強化も含めた総合的な支援を行ってもらえるかどうかが、最も関心があるところですが、野菜BANKの魅力があまり伝わらなかったようです。

また、会員を集めるための目玉となる有名企業が、その後、相次いで撤退・倒産したことも影響したのかもしれません。