特定波長のLED光源(植物工場)にて、葉野菜だけでなく果実や穀物の栽培実験を行うオランダのPlantLab社

オランダのPlantLab社では特定波長のLED光源(フィリップス社の特注製品)を利用して葉野菜だけでなく、トマトやイチゴ、ナスや穀物類(トウモロコシ)など、様々な作物の栽培実験を行っている。基本的な栽培方法は水耕であり、一部は多段式の植物工場も整備されている。
 
 
日本においても、全面的にLEDを採用した植物工場は商業的には存在しない(一部に赤色LEDを採用している工場はある。また、全てLEDのみで栽培したケースも実験レベルでは多数あり)。海外でも米国などの一部の企業がLEDのみで栽培した葉野菜を販売しているものの、蛍光灯ランプと比較して導入するために大きな投資コストが負担となり、採算性のあうビジネスを展開することは現状では非常に厳しい。
 
 
それでも将来的にはLEDの高輝度化・低価格化が進み、作物によって最適な光波長や栽培環境(CO2濃度や気温・室温など)のデータが蓄積されれば、光合成を行うクロロフィルの(潜在的な)利用効率を9%から18%にまで、つまり2倍にまで高めることは可能だという(同社による)。
 
 
そして、新しいコンセプトの都市型農業(多段式・水耕栽培)を実現するべく、ビジネスに役立つソフトウェアの開発も同時に行われている。本ソフトウェアは市場価格によって、どの作物を選択・栽培すべきか、経営者へリアルタイムに情報提供してくれるものである。
 
 
簡単に説明すると、例えば異常気象によって葉野菜の市場価格高騰が予測される場合、栽培から収穫が可能な30日後の予測販売価格、他の野菜を栽培した場合との売上予測シミュレーションなどが全て自動的に表示される、といったものである。今後も同社からの実験結果が報告された場合、当WEBサイトにて掲載していきたいと考えております。