沖縄は地域的にも農作物の栽培品目は限られており、年間供給を実現するために水耕栽培技術や植物工場を導入する事例も増えてきている。例えば、みやこ福祉会の事例やインターナショナリー・ローカルの事例、さらには沖縄独自の薬草を栽培する研究も行われている(関連記事)。そして、沖縄の豊見城市にある商業施設で、植物工場の運営管理を行っていた「りゅうせき建設」も、自社敷地内にて植物工場の実証実験を本格的に開始した、という。
現在、同社では自社敷地内に植物工場を建設し、栽培方法やコスト、市場調査などの実証実験を開始。9月からリーフレタスを毎週約5キロ収穫している。試供品として食品加工業者や製造業者に配布し、市場調査を実施。設備の販売も検討しており、県内での植物工場の可能性を探っている。
同社執行役員の稲福秀夫氏は「消費者が安全・安心を求める中、どれだけ需要があるのか見極めたい」と話した。植物工場は12平方メートルで、8月上旬に設置した。9月6日にリーフレタス5キロを初収穫。月間20キロの収穫を計画している。今後はハンダマやシマナなど島野菜も栽培し、市場ニーズを調査する。建設業の強みを生かして設備の販売も計画。これまでのノウハウを基に運営、管理のアドバイスも行う。土地の有効活用を考えている企業からの引き合いがあるという。
また、6月に発足した沖縄型植物工場研究会に加盟する企業と協力して設置費用のコストダウンにも取り組む方針であり、橋口和久業務課長は「植物工場には空調や光熱、ITなど幅広い企業がかかわる。各企業と協力して坪当たり100万円掛かる設備費用を70万円までに抑制したい」と意気込みを見せた。<参考:沖縄タイムスより>
廃校になった小学校を活用し、水耕栽培(植物工場)も導入した体験型観光交流施設へ(あいあいファーム)
さらに沖縄では、4月に閉校した湧川小学校の跡地を、農業中心の体験型観光交流施設に活用するため、農業生産法人あいあいファームが校舎、運動場、体育館などを含む跡地の無償貸与契約を今帰仁村と締結した。村は統廃合された同小学校の跡地利用計画を約一カ月にわたり公募。8業者について審議会で審査した結果、あいあいファームの計画を経済・雇用効果が最も高いと判断した。
同法人の事業計画では空き校舎を利用し、バリアフリーの宿泊施設、レストラン、温浴施設などを整備する。非正規含む施設従業員約50人を村民優先で雇用する予定で、売り上げは年間約4億円を見込んでいる。農業などの体験学習のほか、水耕栽培農産物の加工施設も備え、直売所も設ける。交流型施設として、修学旅行や企業の研修など、ニーズに幅広く対応する施設を目指す、という。施設のオープン時期は未定である。
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