徳島大学発のベンチャー企業として食用コオロギに関連する品種改良・生産・原料加工・商品開発・販売を一貫して国内で行う株式会社グリラスは、シリーズAに続き約2.9億円の資金調達を実施した。
本ラウンドでは既存株主であるBeyond Next Ventures株式会社、HOXIN株式会社、株式会社産学連携キャピタル等に加えて、いよぎんキャピタル株式会社、近鉄ベンチャーパートナーズ株式会社、食の未来ファンド(kemuri ventures合同会社)、地域とトモニファンド(株式会社徳島大正銀行、株式会社香川銀行、フューチャーベンチャーキャピタル株式会社)を新規株主として迎え、累計資金調達金額は国内の昆虫食関連企業で最高額の約5.2億円※となりました。
※各社の公開情報より算出
資金調達の背景と本ラウンドの使途 ①生産体制の拡充
現在グリラスのコオロギを使用した食品原料は他社との協業商品のほか、自社ブランド「C. TRIA(シートリア)」等に使用しています。
前回のラウンドでは徳島県美馬市にある廃校(旧芝坂小学校)を食用コオロギの生産拠点兼、食品原料への加工拠点として整備することで、既存のファームと合わせて2022年2月時点で年間10トン以上のコオロギパウダーを生産する体制を確立しました。
しかし他社との協業商品や自社ブランド商品の売り上げ拡大に対して、食用フタホシコオロギを加工した食品原料の生産が追い付いていない状況が続いています。
このような市場の盛り上がりにこたえるべく、本ラウンドでは調達した資金を自社の新規ファームの立ち上げと生産パートナー制度の整備に活用することで、2023年12月時点で累計年間約60トンのコオロギパウダー生産体制を目指します。
資金調達の背景と本ラウンドの使途 ②研究開発の加速
現在タンパク質の主要な供給源である牛・豚・鶏といった既存畜産には品種改良の歴史があり、飼育しやすい品種や飼育効率の高い品種が開発されることで、その生産を拡大してきました。
一方で現在の食用コオロギは野生の品種を採取して養殖しているにとどまり、コオロギの大量生産において、品種改良による家畜化が急務となっています。
またコオロギをはじめとした昆虫は甲殻類に類似したアレルギーを引き起こす可能性があり、食用コオロギの一般化に際して数多くの課題が残されているのが現状です。
グリラスではこれらの課題をテクノロジーの力で打破すべく、2021年夏に徳島県美馬市の廃校(旧切久保小学校)を、大学で蓄積されたゲノム編集技術※1を用いてコオロギの高効率な品種改良を行う世界初の研究施設として整備しました※2。
現在は高生産性コオロギの開発や、アレルゲンの少ない品種の確立などをテーマとして研究を進めています。
本ラウンドでは人員および設備への投資を行うことで、2023年内で上記2品種の上市を目標として研究開発を加速させます。また、コオロギの持つ独自の栄養成分や特徴を活かした商品の開発を並行して行うことで、食用コオロギの普及に寄与していきます。
※1:https://www.affrc.maff.go.jp/docs/anzenka/attach/pdf/genom_editting-11.pdf
※2:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000070046.html
食用コオロギ国内生産量No.1のグリラスが約2.9億円の資金調達を実施
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