全国の農家や漁師などの生産者と会話しながら直接食材を買えるオンラインマルシェ「ポケットマルシェ」を運営する株式会社ポケットマルシェは、株式会社電通など、合計6社を引受先とする総額3.3億円の第三者割当増資を実施した。
【今回の引受先】
● いわぎん事業創造キャピタル株式会社
● 株式会社OKBキャピタル
● 小橋工業株式会社
● 株式会社電通
● その他個人投資家
▼既存引受先
● PNB-INSPiRE Ethical Fund 1 投資事業有限責任組合
【資金調達の背景】
生産者と消費者が情報とコミュニケーションで直接つながる食のC2Cマーケットを創造し、都市と地方が共に生きる社会をつくる。これが、東日本大震災の被災地となった東北から掲げたビジョンです。
このビジョンに共感いただいた事業会社、地方銀行系の企業を中心に今回の資金調達を実施しました。
今回の資金で、C2Cマーケットであるポケットマルシェのプロダクトの改善、ファンベースの推進、生産者のエンパワーを加速すると共に、ここから得た知見を活かして新たな事業開発を行います。
ポケットマルシェは従来の固有性を喪失させてきた中央集権型フードシステムから脱却し、複雑で非生産的な価値を商品に正当に付与する自立分散型フードシステムの構築を目指しています。
生産者と消費者が食料主権を回復し、それぞれの地域で文化や経済圏をつくっていくためのプラットフォームに昇華するための研究開発投資も積極的に行っていきます。
【ポケットマルシェの成り立ち】
東日本大震災の被災地で、都市部のボランティアは初めて食べ物の裏側の世界に足を運びました。生産者の創意工夫や苦労、また、生産物を育んだ自然に触れ、結果として食べ物の価値は上がっていったのです。
大規模流通で削がれてきた、食べ物の裏側の情報が付加価値になることを知り、史上初の食べ物付き情報誌、東北食べる通信を創刊。2015年にはグッドデザイン大賞候補にノミネートされ決選投票で2位となり、グッドデザイン賞金賞を受賞しました。
その後、同モデルは共感の輪を広げ、全国37地域や台湾4地域に横展開していきました。食べ物の裏側に隠れた情報に加え、生産者との直接のコミュニケーションも付加価値向上に繋がりました。
2016年に、第1回日本サービス大賞地方創生大臣賞を受賞。食べる通信で得た知見を活かし、より社会にインパクトを生み出すために2016年9月に始めたのが、オンライン産直市場のポケットマルシェです。
社長自らが47都道府県を回り、各地の農家や漁師と車座座談会を行う「平成の百姓一揆」を挙行するなどし、目指す世界を積極的に情報発信してきました。
共感した生産者の間にポケットマルシェが口コミで広がり、ローンチから2年9ヶ月で1,500人の生産者を獲得するにいたりました。2017年には新経済連盟主催のスタートアップピッチコンテストで優勝、今年2月には「カンブリア宮殿」で特集されるなど、社会的にも注目を集めています。
【ポケットマルシェについて】
ポケットマルシェは、全国の農家・漁師から、直接やりとりをしながら旬の食べ物を買うことができるプラットフォームです。現在、1,600名を超える(2019年8月時点)農家・漁師が登録しており、常に2,750を超える食べ物の出品と、その裏側にあるストーリーが提供されています。
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