シドニー南西部にて、アクアポニクスによる太陽光利用型植物工場を運営する「Green Camel」は、オーストラリアの大手小売チェーン店のウールワース社が運営する『オーガニック・ファンド』から約25万ドル(約2,700万円)を補助金を獲得した。
同社は、最新のガラスハウスを導入し、魚の糞尿を回収して野菜の水耕栽培のための養分として再利用している。生産品目は、葉野菜(ハーブ系)、トマト、キュウリとなっており、有機認証を取得している。また、アクアポニクスとして魚は「バラマンディ」を生産している。
今回の資金調達では、現在の施設拡大だけでなく、施設園芸と環境制御技術を導入したラズベリーやブルーベリーの生産もスタートする計画。
ウールワース社をはじめ、オーストラリアの大手小売チェーンでは、近年、オーガニック食品・野菜の採用比率が高まっている。現地で生産したローカル商品かつ、有機認証を取得した野菜は、高値で販売することができる。
ウールワースによると、オーストラリアにおける過去5年間でのオーガニック市場の年成長率は20%にもなり、需要拡大に対して生産量が追い付かない状況である。
そのため、3000万ドル(約32億円)のオーガニックファンドを作り上げ、有機野菜の生産者を支援している。
ただし、オーストラリアの国土は広大ではあるものの、農地として適した土地は少ない。そこで同社では、高度な環境制御技術と有機栽培を融合させた、現代版の環境配慮型農業を拡大することで、生産者も利益を確保できるような仕組みを作り上げていきたい、という。
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