中部電力、VPP仮想発電所の構築に向けた実証へ。植物工場のエネルギー需要調整にも活用

 中部電力株式会社では、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「平成31年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント (注1) VPP 構築実証事業費補助金」(注2)のうち「VPPアグリゲーター事業」に申請し、補助金の執行団体である一般社団法人環境共創イニシアチブより、2019年5月30日に交付決定を受けた。

2019年度の交付決定額は約9,000万円。実証事業には富士電機、トヨタエナジーソリューションズ、日清紡ホールディングス、京都大学などが参加・協力する。

日清紡によるイチゴの完全人工光型植物工場における「空調・照明」なども実証対象に含まれている。


(注1)太陽光発電などの再生可能エネルギー発電設備、蓄電池、お客さまの電力使用設備などをネットワークでつなぎ、あたかも1つの発電所のように機能させる仕組み

(注2) 経済産業省が、VPPの構築に係る実証事業を行う経費に対して、当該費の一部を助成するもの

中部電力、VPP仮想発電所の構築に向けた実証へ。植物工場のエネルギー需要調整にも活用
2021年4月に開設が予定される需給調整市場(注3)において、お客さまのエネルギーリソースを活用した電力の需給調整が可能となるVPPへの期待が高まっておりますが、調整力のポテンシャル把握や、ビジネスモデルの構築などが課題となっております。

本実証では、自動販売機、電気自動車、使用済みの車載用バッテリー、植物工場の空調や照明などの多種多様なエネルギーリソースの調整力への活用、一般送配電事業者のエリアをまたいだ広域なVPPネットワークの構築などを行います。


(注3)一般送配電事業者が需要と供給の差(需給ギャップ)をなくすための電源(調整力)をあらかじめ確保するための市場