川崎市農業技術支援センターでは、平成18年から「のらぼう菜」の収穫時期や収量等の特性について調査を開始し、その中で、従来の「のらぼう菜」とは異なる、葉に光沢がある個体を発見した。
その後、センターでの10年に及ぶ研究と自家受粉による選抜により、育種した新品種 “川崎市農技1号” を平成29年3月に農林水産大臣に品種登録の出願をしていたところ、2月14日付けで品種登録されました。
川崎市では品種登録第1号になります。品種登録は市町村では珍しく、神奈川県内でも初になります。今後は、新品種の市内生産者への普及方法や消費者へのPR方法、愛称の決定方法について検討していきます。
●新品種の特長
「のらぼう菜」と比べ葉及び茎に光沢がある
他のナバナに比べると茎の部分に筋が無く、アブラナ科特有の苦みがない。
食味はくせがなく強い甘みが特長
●「のらぼう菜」とは
川崎市の菅地区で古くから栽培されている伝統野菜です。現在、神奈川県の農林水産物ブランド「かながわブランド」や本市の「かわさき農産物ブランド」に認定されており、美味しいかわさきの郷土作物であることが知られています。本市では、明治大学、神奈川県との共同研究をしており、昨年、その成果として栽培マニュアルをとりまとめました。
新品種育成の経過
発見(平成19年3月)
調査のために育成していた「のらぼう菜」の中に、葉及び茎(くき)に光沢がある苗を1本発見した。普通はこのような苗は農家では間引いてしまうが、当時の職員はこれを面白いと思い育成してみることにし、この苗から種子を採取した。
選抜→改良(平成19年~28年)
優良な個体を選抜しながら、自家受粉で種子を採取することで改良を重ねた。当初はなかなか形質が安定せず、次の年には出てくるものがバラバラで失敗の連続であった。
品質の改良が進み形質が安定(平成28年3月~平成29年3月)
10年間、調査・研究した結果、形質が安定したため、「これなら品種登録できるのでは」と考え品種登録の申請を行った。
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