ミートエポック・明治大学が開発、発酵熟成肉製造技術「エイジングシート」を使った商品が関西にも

 ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランドでは、株式会社ミートエポックによる、安全かつ迅速に発酵熟成肉を製造することができる日本初の発酵熟成肉製造技術「エイジングシート」を使ったメニューの提供を開始する。

「エイジングシート」は、肉の熟成に必要で人体に無害な菌を、滅菌した布に付着させ、肉に巻くだけで、熟成に必要な菌を短期間で増殖させる新技術。腐敗防止と安定した肉の熟成化、短期間での「発酵熟成肉」の製造を可能にしました。

ミートエポック・明治大学が開発、発酵熟成肉製造技術「エイジングシート」を使った商品が関西にも

熟成肉の不明確な定義・安全基準もない現状を改善

肉を寝かせることでうま味が引き出されるといわれる熟成肉が人気を博し、常連客からメニュー化を望む声があがる一方で、製造環境を整えた庫を作るためにコストや期間を要すことや、使われる菌も特に決まりはなく増殖も不安定なことなどが導入の妨げになっていました。

新技術「エイジングシート」で熟成された肉は、熟成化に必要な菌以外の付着を制御し、ミートエポック社が行う検体検査でも「安心・安全」を確認しております。

当ホテルでは、関西初となる「エイジングシート」を使った商品提供により、利用者の方に安心してお召し上がりいただける熟成肉の新たな食文化創出を目指します。


■レストラン「ル・クール神戸」
熟成肉のグリエ 兵庫県産野菜のサラダを添えて 赤ワインソース
熟成でうま味が増した牛肉を、肉のうま味と風味を最も感じられるグリエにしました。脂肪の融点が低くなり口どけが良い肉を、キレのある赤ワインソースと兵庫県産の野菜のサラダでお召し上がりください。

ミートエポック・明治大学が開発、発酵熟成肉製造技術「エイジングシート」を使った商品が関西にも

「エイジングシート(特許出願中)」とは?

 ドライエイジング法により製造される熟成肉は、菌の増殖によって、肉の成分が美味しさや好ましい香りに変化します。

株式会社ミートエポックでは、肉の熟成に利用できる人体に無害な菌を純粋に培養し、回収した胞子を滅菌した布に付着させることに成功しました。この布が「エイジングシート」です。

「エイジングビーフ」の製造技術は、株式会社フードイズムと明治大学が共同で特許の出願をしています。「エイジングシート」で包んだ肉は、熟成に必要な菌が短期間で増殖します。それにより腐敗の防止と、かつ肉の熟成が促進されることで、安定して短期間で『発酵熟成肉』を製造することができます。


「エイジングシート」の『発酵熟成肉』とは?
熟成肉は一般的には寝かせて製造した肉のことです。菌もこれという決まりがなく、増殖も不安定でした。その結果製造に時間がかかり、品質が安定しませんでした。

一方、「エイジングシート」で作る『発酵熟成肉』は、熟成肉に有効な菌のみを利用し、肉全体に強制的に付着させることで、菌の増殖を安定させ、香り成分の増加など肉の熟成が促進されます。

「エイジングシート」で製造された『発酵熟成肉』は、筋繊維が噛み切りやすくなる“肉質の軟化”、不飽和脂肪酸の増加による“脂肪の口解けのよさ”といった特徴と“熟成香”といわれるミルクやナッツに似た芳醇な独特な香りが口の中に広がります。


不飽和脂肪酸
炭素間の結合に二重結合をもつ脂肪酸。飽和脂肪酸(二重結合のない脂肪酸)と比べて、融点が低い。不飽和脂肪酸は、まぐろ、いわし、さんま、さばなどの魚類やオリーブ油、ゴマ油、シソ油、グレープシード油などの植物油に多く含まれている脂質。常温で固まりにくく体内で液体であるというのが特徴であり、血中の中性脂肪やコレステロール値を調節する働きがあるといわれています。


■株式会社ミートエポック
設立:2016年7月
資本金:400万円
事業内容:「エイジングシート」製造
※「エイジングシート」製造にあたり、明治大学と株式会社フードイズムから、製造・販売のためのライセンスを受けています。