コンピュータソフトウェアの開発、運用、保守並びに販売を手掛ける、株式会社エキサイトは、農業IoTシステム「たもつくん」を2018年4月から販売開始する。
同製品は、中小規模な施設園芸向けに低コストを目指して開発されたクラウド対応で栽培環境の監視と制御を実現する農業IoTシステムです。
2018年度は宮城県内、2019年度以降は東北6県へと販売地域を拡大します。基本システム価格は80万円です。
【背景】
東日本大震災後、東北地方では復興支援の一環として農作物の大規模施設での施設園芸栽培が積極的に進められてきました。
一方で、中小規模な圃場に導入できる、比較的低コストでクラウド対応の環境制御システムがないことから、平成24年度から開始した「食料生産地域再生のための先端技術展開事業 大規模施設園芸」コンソーシアムからの要請により、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の監修のもと、製品化することになりました。
本システムは、亘理いちご団地農家様の栽培圃場で実証検証が進められています。
<特徴>
■従来、数百万円以上と高価格であったものを、基本システムで100万円を切る価格で実現しました。
■基本システムは、屋内用の観測ノードと環境制御ノードで構成され、他に、屋外用の観測ノードを追加できます。
屋内外観測ノードは、IEC規格IP65相当の防水・防塵性能を持ちます。
■スマートフォンやパソコンからクラウド経由で、施設内の環境状態の監視と各種機器の制御ができます(注1)。
■施設内の環境制御機器を協調的に連携させて、制御することができます。
例)夜間、室内温度が10℃以下の際に保温のためカーテンを閉じ、更に6℃以下になったら暖房機器を運転する。
■UECS(注2)規格に対応したセンサを使い、潅水・養液管理など新たな制御機能を追加することが可能です。
(注1)
【監視対象:最大9点】
温度、湿度、CO2濃度(各屋内外)、及び日射量、雨量、風速(各屋外)
【制御対象:最大11点】
換気窓、カーテン(各2系統)、暖房機、CO2発生器、ミスト発生器、汎用アクチュエータ(各1系統)、及び汎用機器制御(3系統)
(注2)
UECSとは、ユビキタス環境制御システム(Ubiquitous Environment Control System)の頭文字を表し「ウエックス」と読みます。植物を生産するためのガラス室・ハウス(温室)、植物工場などの園芸施設の環境制御を実現するための優れた自律分散型システムです。
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