伊藤忠飼料株式会社と、NTTテクノクロス株式会社は、豚の体重を推測するアプリケーションサービス「デジタル目勘」を共同開発し、2018年4月から伊藤忠飼料の販売ルートにて提供を開始する。
本サービスは、スマートフォンやタブレット端末で撮影した豚の画像から体重を推測することができるため、一頭ずつ体重計に移動させて計測する手間がかからず、熟練者による「目勘(めかん)」のように、場所にとらわれない手軽な体重推測が実現可能です。
出荷時の体重の違いで豚の価格が変わることに悩む養豚農家に対し、本サービスは豚の体重を簡易に、かつ正確に把握することで養豚経営向上に貢献します。
■背景
養豚農家にとって、豚の体重は極めて重要な数値です。豚は出荷後、「枝肉重量」「背脂肪の厚さ」「外観」「肉質」などにより、「極上」「上」「中」「並」「等外」の5等級に格付けされ、価格が決まります。
このうち重量は等級ごとに規定され(*1)、重量が少なすぎても多すぎても格落ちとなり評価が低下してしまうため、豚の体重を正確に把握することは極めて重要です。
しかし、出荷時に一頭ずつ体重計に乗せて測定する方法は、養豚農家の平均出荷頭数から見ても、全頭測定するには多大な時間や労力がかかります(*2)。また、豚の体重を自動計量できるシステムもありますが、導入に多大な投資費用が必要となります。
一方で、養豚業界用語で「目勘」と呼ばれる、豚の外観から体重を推測する方法もあります。この方法は長年の経験と熟練した技術が必要で、誰にでもできるものではなく、さらに人によって推測値にばらつきが生じるため、安定的に正確な体重を割り出すことは困難です。
本サービスでは、豚の写真を撮ることで体重を推測できるため、誰でも簡単に熟練者レベルの「目勘」が可能となります。多大な設備投資を行わずに手軽に豚の体重を推測できることで出荷時の重量の安定化が見込めるため、格落ちによる経済ロスの低減を支援し、養豚農家の収益増大に貢献します。
■特長
(1)カンタンな操作で体重が推測可能
本サービスのアプリをインストールしたスマートフォンやタブレット端末のカメラを起動し、画面の操作に従い豚を撮影するだけで、自動的に豚の推定重量が表示されます。
(2)独自開発の画像処理エンジンにより精度の高い計測を実現
養豚に多大なノウハウを持つ伊藤忠飼料の研究所が開発協力し、NTTテクノクロスの高精度な画像認識技術を組み込んだ独自の計測ロジックで、熟練者レベルの目勘を再現しました。(特許出願中)
■価格(税別)
1ライセンスあたり15,000円/月~
※撮影する端末ごとにライセンスが必要です。複数台をご利用の場合は、台数分のライセンスが必要です。
■用語解説
*1:公益社団法人日本食肉格付協会より
*2:平成27年度 一般社団法人 日本養豚協会 養豚農業実態調査全国集計結果より
*「デジタル目勘」はNTTテクノクロス株式会社の商標です。
*記載されている商品名・会社名などの固有名詞は一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。
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