日本アドバンストアグリ、植物工場にて『アイスプラント』量産に乗り出す

 液晶テレビのバックライトに使うHEFL(ハイブリッド電極蛍光管)照明装置の製造などを行うツジコー(株)では、2006年4月に植物工場による野菜栽培を手掛ける子会社「日本アドバンストアグリ(株)」を設立した。

数年前の訪問取材では、HEFLやLEDなど、人工照明を使用してレタスなどの葉野菜の試験生産を行っていた。こうした実験的な取り組みを通して、植物工場に最適な品種・量産技術ノウハウを蓄積してきた同社が主力品目として選択した品種が「アイスプラント」であり、5月ごろから出荷を予定している。

アイスプラントは、プチプチした食感で薄い塩味がし、カリウムやβカロテンなどの栄養素を多く含む野菜。小売価格は植物工場レタスが1g=1.5円程度に対して、アイスプラントは4.5~5円と取引価格も高い。

また、植物工場でのアイスプラント生産は、播種から収穫まで50~70日となっており、ハウス栽培より2~3割短縮でき、通年栽培も可能となる。

量産工場は倉庫・物流業の上田産業と協力し、滋賀県長浜市内の倉庫内に設ける。栽培システム16台を設置し、ブランド名「ツブリナ」でのアイスプラント商品を出荷する。

生産量は当初、1日1,100株を予定しており、今後は、自社にて開発した植物工場プラントと「ツブリナ」ブランドによるアイスプラント商品の販路もセットにて、企業へライセンスする事業も計画している、という。