株式会社日立製作所は、オーストラリアでの社会イノベーション事業拡大に向けて、2020年度までに累計1,000億円を投資し、売上を2015年度の3倍となる3,000億円に拡大するオーストラリア事業戦略を策定した。
日立は、オーストラリアが抱える、人口増加に伴う交通渋滞などのインフラシステムの課題や医療費増加への対策に加え、マイニングや農業などの分野における効率化、高付加価値化による競争力強化などに対して、社会イノベーション事業を通じたソリューションを提供していきます。
現在、オーストラリアでは、人口増加により急速に都市化が進んだことで、慢性的な交通渋滞や都市交通の不足など、交通システムを中心としたインフラシステムに課題を抱えています。
また、医療費の増加への対応、マイニングや農業といった基幹産業の競争力強化に向けては、効率化による低コスト化、IoT技術を活用した高付加価値化など、産業のスマート化が求められています。
また、IoTをはじめとしたイノベーションが世界的に進む中、オーストラリア政府はセキュリティ対策強化を推進しており、2016年4月に策定した「新サイバーセキュリティ戦略」においては、2020年までに約180億円を投資していくことを明らかにしています。
マイニング事業や農業関連事業では、効率化、高付加価値化に貢献するソリューションの提供や実証実験を進めています。
また、日立建機株式会社が、オーストラリアのブラッドケン社の子会社化に向けた株式公開買付けを進めており、買収成功後は、ブラッドケン社のグローバルネットワークやブランド力などを生かしながら他社との差別化を図るとともに、日立のIoTやAIの技術と組み合わせシナジーを生み出すことで、事業の拡大を図っていく方針です。
ヘルスケア事業においては、米国や日本で実績のある粒子線治療システムを中心に医療システムの提供を推進し、セキュリティ事業においては、映像監視システムや指静脈認証装置に加え、安全な情報資産管理を支援するサイバーセキュリティシステムなどの幅広いソリューションを提供することが可能です。
こうした事業の提供を通じ、現在の日立のオーストラリアでの事業規模約1,000億円(2015年度)を、2020年度に3倍の3,000億円に拡大していきます。今後のオーストラリアでの事業拡大に向け、2020年度までに累計1,000億円の投資を計画しており、日立のIoTプラットフォーム「Lumada」の開発なども加速していく予定です。
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