全国71の産地と提携し、化学合成農薬や化学肥料をできるだけ使わない野菜づくりを進めてきた生活クラブが今回、独自の野菜を多くの人に伝えるため新ブランド「アースメイド野菜」を立ち上げた。また11月の注文からは、アースメイド野菜のうち栽培期間中に化学合成農薬や化学肥料を使わない野菜などに新たなマークをつける。
生活クラブはアースメイド野菜を食べ続けることで生産を支え、生産者は継続的な消費を背景に後継者の育成など産地づくりを進めてきた。生活クラブが生産者と一緒になって進める野菜の共同購入には、持続可能な生産を支える力があると同社は考える。
アースメイド野菜の普及を進める背後には、危機的な日本の農業の現状がある。今年、日本の農業人口はついに200万人を割る一方、70歳以上の農家が4割を超えた。今後は高齢農家の引退が予想され、後継者づくりが急務だ。しかし、後を継ぐことが期待される29歳以下の農家は昨年に比べて24%も減少している。農業の新たな担い手づくりなど、将来にわたって持続可能な産地づくりを急ぐ必要がある。
アースメイド野菜は、生活クラブの組合員と生産者が野菜づくりについて話し合うことでつくり上げた以下の基準の野菜だ。
・化学合成農薬や化学肥料をできるだけ使わず、栽培履歴を明らかにする
・残留農薬は国の基準の1/10未満
・放射能は国の基準の1/4にあたる25Bq/kg以下*
*生椎茸、花卉類をのぞく
11月から新たに「あっぱれ育ち」「はればれ育ち」「たぐいまれ」というマークをアースメイド野菜につけて、共同購入を始める。新しいマークの野菜の特徴は以下のとおりだ。
左から「あっぱれ育ち」「はればれ育ち」「たぐいまれ」のロゴ
・あっぱれ育ち
栽培期間*中、化学合成農薬と化学肥料を使用しないで育てました
・はればれ育ち
栽培期間*中、化学合成農薬と化学肥料を約半分まで減らして育てました。
・たぐいまれ
独自性の高い野菜や地域特有の野菜です。
*栽培期間:収穫する畑に種を撒いた後、または苗を植えた後から収穫するまでの間
鮮度については、以下のルールを設けた。
・収穫して3日目までに組合員への配達
・基本的に収穫後は産地で冷蔵保管、仕分けする戸田デリバリーセンターへ冷蔵車で輸送。
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