ロームグループのラピスセミコンダクタは、スマートメーターやホーム/ビル・セキュリティ、クラウド農業など、長距離無線通信と低消費電力が必要とされるアプリケーションに最適な、サブギガ帯域(周波数1GHz以下)無線通信LSIを開発し、量産出荷を開始した。
本無線通信LSI(ML7345c)は、中国の無線規格で最高特性が出るよう周波数帯域と送信パワー、受信感度をカスタマイズした商品となっている。中国国内で利用可能な周波数帯域433~510MHzと、送信パワー100mW高出力に対応している。
また、高周波増幅器を改良したことで、業界トップクラスの無線性能と環境安定性(送信パワーの温度耐性:一般品比で3倍以上)を実現しているため、スマートメーターなど複雑な無線ネットワークの簡素化(中継器削減)が可能となる。
本商品は2015年12月より量産出荷を開始しており、今後、在中国パートナーとの協業による本商品を搭載した無線モジュールの提供も予定している。
<背景>
近年、地球温暖化抑制を目的に、エネルギーを効率的に利用することが社会的な緊急課題になっています。
中国においては、IoT・M2Mの観点から無線通信を使用するスマートメーターが導入されるようになってきました。また、オフィスやビル全体の照明・空調の最適制御、防犯・防災セキュリティはもちろん、農業など一次産業での収穫量向上や生産の最適化などでも、無線ネットワークを用いてデータを収集し、制御する動きが活発になっています。
<新商品の特長>
業界トップクラスの環境安定性
中国でのサブギガの主要な帯域である433MHzから510MHzにおいて、送信パワーと受信感度で比類なき環境安定性(耐温度変化、耐電源電圧変化)を実現しています。
これらの安定した無線性能により、マルチホップを扱うスマートメーターなど複雑な無線ネットワークを用いるアプリケーションにおいて、環境変化に対するマージンを考慮することなくネットワーク設計を行えるため、ネットワークの簡素化(中継器削減)・低コスト化に貢献できます。
また、比較的簡単な無線ネットワークを用いる防犯・防災セキュリティなどのアプリケーションにおいても、環境変化に左右されることなく高信頼の通信環境を提供可能です。
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