パナソニック株式会社は、豪雪地帯での除排雪作業支援やスマート農業支援などに利用できる、業界初の1周波RTK-GNSSを搭載した頑丈タブレットPC「TOUGHPAD(タフパッド)」を活用した「高精度測位システム」を開発した。
本システムは、頑丈タブレットPC「TOUGHPAD」に、衛星電波受信モジュール、ワイヤレスWAN、1周波RTK-GNSS機能を拡張したパナソニック独自の衛星測位技術(特許出願中)を用いた構成で、外部アンテナを接続し、環境により10センチメートル程度の測位が行えるシステムです。
また、「TOUGHPAD」は、高性能CPUを搭載しているため、3次元道路地図なども快適に表示でき、除排雪作業道路環境の可視化を実現します。
同社が開発した本システムを活用し、北海道岩見沢市では本年12月より除排雪作業支援の実証実験が行われる予定です。これまでの除排雪作業は、道路知識を有する熟練者が作業していましたが、除排雪作業支援システムは、道路構造部を可視化することができるため、道路知識がない作業者でも、除排雪作業が行えます。岩見沢市による実証実験は、積雪が予想される3月まで行われる予定です。
RTK:Real Time Kinematic(相対測位)
測位を行う移動局が受信した衛星電波の搬送波と、既知点から携帯電話や無線を利用して送信されるGPS補正データ(搬送波)を用いて、コード情報ではなく、搬送波の数や位相を用いることで、既知点からの相対位置をリアルタイムに、正確に演算して測位する方式。
1周波RTKとは、航法衛星から送信される複数の周波数の電波のうち、一般に測位に用いられる2つの周波数電波の1つのみを用いる方式。
GNSS:Global Navigation Satellite System(全地球型測位システム)
米国が打ち上げたGPS衛星とそれ以外の全地球型測位システム(ロシアのGLONASS衛星や日本の準天頂衛星「みちびき」など)を含めた総称。