日立化成株式会社は、化学農薬を使用せずに炭酸ガスで定植前のいちご苗に寄生するハダニを防除するシステム、簡易水封式いちご苗炭酸ガス処理システム「ポリシャインSB」の全国販売を2015年4月から本格的に開始する。
いちご苗を栽培する際は、ハダニを防除するために従来型の化学農薬(液体)を散布するのが一般的です。しかし、従来型の化学農薬では、葉の裏の成虫や卵まで完全に防除できないことや、ハダニは、従来型の化学農薬に対する抵抗性が発達しやすく、農薬の効果が低下する可能性があることが課題となっています。
ハダニの防除に対しては、炭酸ガスが有効であると知られていますが、その実用化においては、炭酸ガスを密閉することができる気密性に優れるフィルムを用いたシステムが必要とされていました。
同社による新システムでは、いちご苗の定植前日に、アルミ蒸着フィルムで形成した空間に苗を入れて、お客さまに別途手配いただいた炭酸ガスを注入し、密閉したうえで24時間置くことにより、葉の裏の成虫や卵までほぼ全数死滅させることができる。
既に導入した農家からは「ハダニの大量発生の心配がなく精神的にとても楽になった」などの感想が寄せられている、という。化学農薬を使用しないので、ハダニに薬剤耐性をつけることなく死滅させることができ、化学農薬を敬遠しがちな消費者へのアピールにも繋がります。
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