瀋陽遠大企業集団(中国遼寧省の複合企業)がイスラエルの節水技術・灌漑(かんがい)企業、オートアグロノムを2,000万ドル(約21億円)で買収した。慢性的な水不足に悩まされる中国農業に、オートアグロノムの技術を広く取り入れる(写真:オートアグロノム社のウェブサイトより)。
オートアグロノムは農作物の根元に水を一滴ずつ垂らす「ドリップイリゲーション」という灌漑技術を得意とし、農業に使う水を50%、化学肥料を70%削減できるとしている。
灌漑装置は、センサーが農作物の根元の酸素量、水素イオン指数(pH)、硝酸塩などを計測し、コンピューターが土壌の状況を分析して、人の手を介さずに給水する。植物の生育状況を常に把握し、必要最小限の水で最大の効果を得ることを目指す。
設立は1988年。同社のドリップイリゲーション技術は世界13カ国で使用されている。中国の遠大はドリップイリゲーションの装置を量産する工場を建て、中国全土に販売していく計画。
遠大は高層ビルの外壁材「カーテンウオール」の世界最大手で、ユニークな形で知られる新宿駅前の「東京モード学園」などを手掛けた。エレベーターや風力発電装置も製造している。
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