三井物産、米デュポン社から銅殺菌剤Kocide事業資産を買収

 三井物産株式会社は、デュポン社が保有する銅殺菌剤であるKocide(R)のグローバルな事業を買収する契約を締結した。同社は米国で農薬製造・販売を行う100%子会社Mitsui AgriScience International USAの傘下に、新たにCertis Cu LLC(以下「CCU社」)を設立し、デュポン社の銅殺菌剤に関する事業資産を買収します。

具体的には、三井物産はCCU社を通じ、デュポン社の保有する銅殺菌剤の商標Kocide(R)、製品の各国での登録、登録データ、製造ノウハウ(製造プロセスに関わる特許)、第三者との契約、および米国テキサス州ヒューストンにある銅殺菌剤製造工場を買収します。

なお、アジア・パシフィック地域でのKocide(R)の販売については、デュポン社が最長5年間にわたり継続して行います。これにともない、三井物産はアジア・パシフィック地域でのデュポン社への銅殺菌剤、ならびにデュポン社が取り扱う混合剤向けの銅殺菌剤の供給に関する契約を締結しました。

 銅殺菌剤は、カビやバクテリアがさまざまな作物に対して引き起こす病害に対処する農薬として、日本を含む世界中の農家に広く親しまれています。中でもKocide(R)の主要な有効成分にあたる水酸化第二銅は、化学式Cu(OH)2と表記される銅の水酸化物で、単独あるいは他の殺菌剤と混合するなどして、病害を予防する殺菌剤として広く使用されています。

水酸化第二銅は主要な農薬市場である北米、欧州、中南米、アジアの4地域を含む世界75カ国以上で登録されています。特に、ブドウ、柑橘類を筆頭に果樹野菜類の有機栽培などに広く使用されており、今後も需要の増大が見込まれています。