伊藤忠商事はタイ最大級の財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと資本・業務提携すると発表した。伊藤忠が実施する1024億円の第三者割当増資をCPグループが引き受ける。伊藤忠もCPのグループ企業に約870億円を出資し、株式の25%を取得する。
日本の大手商社が株式を持ち合うのは異例。飼料や農産物の供給に加え、情報通信など幅広い事業で協業し、成長するアジア市場を開拓する。
第三者割当増資を引き受けるのはCPの投資子会社と、CPと日本政策投資銀行が折半出資でつくる投資組合。それぞれ約4.0%、約0.9%出資し、CPグループが伊藤忠の事実上の筆頭株主となる。伊藤忠はCPグループの中核企業で食糧事業を手掛けるCPフーズの子会社に出資して持ち分法適用会社とする。
CPグループはタイでコンビニエンスストア「セブンイレブン」を約7600店展開。明治とは共同出資会社で、牛乳やヨーグルトなどの生産・販売を手掛けている。
Charoen Pokphand(チャロン・ポカパン)グループとの業務提携について
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)は、アジア有数の大手複合企業の一つであるCharoen Pokphand Group Company Limited (チャロン・ポカパン・グループ社、本社:タイ国バンコック市、Chairman:Dhanin Chearavanont、以下「CPG」)と、当社グループ及びCPGを中心とする企業集団(以下「CPグループ」)双方の企業価値向上及び協力関係の強化の為に戦略的な業務提携を実施することで合意し、業務提携契約を本日締結致しました。
1.アジア地域を中心とした食料、化学品、情報通信、金融等を含む非資源分野における事業拡大機会の共同開拓。
2.タイ・中国・ベトナムなどを中心としたアジア地域における飼料、畜産及び水産関連分野での共同取組の推進並びに同地域への原料供給体制の整備。
CPグループは様々な企業群を擁し、農畜産物と食料品を主力事業として他にも情報通信、流通、金融、医薬品等の非資源事業を手掛けるタイ最大の企業集団の一つであり、タイ、中国を中心に国際的に事業を展開しています。
国内大手総合商社の中でもトップクラスの非資源分野の収益力を持つ伊藤忠グループと、アジアにおける強固なネットワークや知名度を持つCPグループとで双方の強みを生かし、アジア地域における非資源分野事業の更なる展開を図る為の業務提携の合意に至りました。
1.伊藤忠商事による、CPグループの中核企業であり農作物・飼料・畜産物・水産物等を取扱うCharoen Pokphand Foods Public Company Limited(チャロン・ポカパン・フーズ社、以下「CPF」)の子会社であり、中国及びベトナムにおいて飼料、畜産及び水産関連事業を営むC.P. Pokphand Co. Ltd.(以下「CPP」)の25%の株式(議決権数ベース)のCPF及びその子会社からの取得。尚、取得金額として約870億円を予定しております。
2.CPGが設立した完全子会社、並びにCPGの完全子会社と株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」)が折半出資する投資事業組合による、伊藤忠商事が行う第三者割当増資の引受による合計約4.9%(本第三者割当増資前の発行済株式数ベース)の出資。
尚、本第三者割当増資に伴う株式希薄化の影響が顕在化する場合にはその抑制等を目的として7,800万株もしくは1,100億円を上限とする自己株式の取得に係る決定をしております。
業務提携・資本関係概要図(資本関係は一部簡略化して記載しております)