東日本大震災の津波による浸水被害を受けた宮城県石巻市立大川中学校の跡地に、水耕栽培の太陽光利用型植物工場が完成した。運営するのは、宮城県東松島市のリサイクル業「東部環境」。建設のための土地は大川中の跡地を石巻市から、資金については東北銀行などから借り、事業に乗り出した。
株式会社東北銀行では、この度、株式会社東部環境様の、宮城県大川地区における農業の震災復興支援を目的とした水耕栽培事業に関する設備資金に対し、ABL(注)を活用した融資を実施しましたのでお知らせいたします。
宮城県大川地区は、東日本大震災により農業をはじめとした地域の産業が多大な被害を受け未だ復興の途上にあります。本事業は、被災した大川中学校の跡地を活用し、水耕プラントによる次世代農業を行い、石巻発の高付加価値な地域ブランド商品の開発・販売を通じた地域活性化を図ることを目的としています。
株式会社東部環境では、今後隣接地に「大規模太陽光発電所」も整備する予定であり、大川地区における農業再生と合わせ、再生エネルギーの創出による環境面への貢献も行う予定となっております。将来的には近隣生産農家の生産物の買取・加工を通じ、地域全体の農業所得向上にも貢献していく予定です。
注:ABL (アセット・ベースト・レーンディング:流動資産担保融資)について
ABLとは、企業が保有する商品・製品等の在庫や売掛債権等の流動資産を担保として融資を行う手法です。商品等の価値を評価し活用することで、資金調達の多様化と円滑化を図ることが出来ます。
会社概要
企業名:株式会社東部環境
所在地:宮城県東松島市大曲字南浜1-4
代表者:工藤 豊和
事業概要
平成12 年創業。タイヤのリサイクル業をしており、震災後はリサイクル業を通し復興に貢献。本事業による地域の農業再生を通し、大川地区発の地域ブランド創出に取組む。プラントでは「ベビーリーフ」を生産し、「良葉東部(イーハトーブ)」のブランドで販売を行う予定。
水耕プラントの概要
事業地:宮城県石巻市針岡字山下61 番地(大川中学校跡地)
設備名称:「アクアビトン」
設備概要
颯爽工業が開発した「省エネ」「周年栽培」を目的とした水耕栽培システム。従来の水耕プラントと違い、水耕部分のみの水温を調節することで省エネ化を実現したシステム。
融資額:80百万円