検査用LEDメーカー、シーシーエスが植物工場事業へ新規参入

 1992年に京都で創業したシーシーエス株式会社は、LEDを使用した照明装置の専業メーカーである。特に半導体や自動車、食品といった工場での製品の不具合を検査する「撮影機向けLED」で国内6割のシェアを持つ。このような検査用LEDでは、広範囲な業界で顧客を開拓し、2004年にはジャスダック市場への上場も果たした。

しかし、最近の景気悪化も影響して、2009年7月期は上場以来初の赤字となり、既存事業だけでなく、新規事業の開発にも力を入れ始めた。新規事業としては、自社とのシナジー効果が高いLED照明を使った植物工場事業に期待を寄せており、自社の中核事業の一つとなるように開発を進めている。

こうした中、同社では2008年12月に、植物工場を運営する(株)フェアリーエンジェルに対して、3億2000万円を出資(25%株式取得)し、実質連結子会社化した。また、社名を株式会社フェアリープラントテクノロジーとして運営を再スタートさせた。

 農業の担い手が減少するなか、野菜を屋内で効率的に栽培できるプラントの将来性は高い。同社が取り扱うLED光源は、現在の植物工場にて主流となっている蛍光灯から将来的には切り替わる可能性が高い。

同社における植物工場による野菜の生産・販売事業は現在、売上比率でいうと2%弱ではあるものの、2010年度は売上比率を10%にまで拡大し、5億7000万円の売上を目指している。