抗菌めっき技術「ケニファイン」水耕栽培における藻・病害の発生を抑制

 大阪府立環境農林水産総合研究所では、株式会社神戸製鋼所と、森村商事株式会社の依頼により「KENIFINE(ケニファイン)」の水耕栽培での利用の可能性を検証し、藻の発生や植物病原菌の抑制効果があることを確認した。

KENIFINE(ケニファイン)とは、神戸製鋼が開発した優れた抗菌性を持つニッケル系の合金メッキ技術のこと。従来の抗菌技術よりも抗菌や防カビなどに優れた機器の加工が可能である。

急性経口毒性試験など、抗菌製品協議会が定める各種安全性試験にも合格している。食品・厨房関係での飲食品機械部品、搬送ライン部品、家電・エアコン部品、養漁金網などで利用されている。

抗菌めっき技術「ケニファイン」水耕栽培における藻・病害の発生を抑制

成果の概要
水耕(養液)栽培では、病害の発生や藻の発生を抑えるために栽培用資材の洗浄や消毒を実施しており、食品産業等で抗菌技術として利用されているケニファイン技術の農業分野での応用の可能性を検討した。

『ケニファインめっき』した金属板の上で病原菌の発芽抑制効果や防藻効果の確認を行った結果、トマト萎凋病菌(Fusarium oxysporum)やトマト根腐病菌(Pythium aphanidermatum)の胞子の発芽が抑制されることや防藻効果があることを確認した。

また、ロックウール表面にケニファイン処理した場合、ロックウール中や養液中の藻の発生が抑えられることもわかった、という。


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