日本アドバンストアグリ、植物工場にて健康食品の原料アイスプラント粉末「グラシトール」を開発

 植物工場によるアイスプラントの栽培技術を保有している、日本アドバンストアグリは、長浜バイオ大学、鳥取大学、産業技術総合研究所、滋賀県東北部工業技術センターとの産学官共同研究によって、健康食品の原料となるアイスプラント末(グラシトール)を開発した。

アイスプラントは、浸透圧ストレスに対応してピニトール(*1)やファイトケミカル類(第七の栄養素)の合成量を高めることで知られる植物で、血糖値の改善をはじめ、生活習慣病の予防が期待できる機能性野菜です。

植物工場の環境制御技術を応用し、ストレス負荷栽培方式(*2)で植物を生産することによって、アイスプラント(ツブリナ)のビタミンやポリフェノールなどの栄養価が6〜8倍(従来比)と大幅に上昇することが共同研究の結果明らかとなり、この度サプリメント原料として供給する運びとなりました。

健康食品の原料となるアイスプラントは、当社長浜工場及び提携先である横手精工株式会社(秋田県横手市)が運営する植物工場で2013年4月より、量産を開始致します。

完全閉鎖型植物工場は、クリーンな環境で、一切の農薬を使用せず野菜生産ができるため、天候に左右されることなく、品質の高い健康食品原料を安定的に供給することが可能です。

同工場で生産されたアイスプラントに、高濃度ピニトールを配合した栄養補助食品「グラシトール」は、日本アドバンストアグリが運営するWEBサイト(http://agri-life.jp/)での販売を予定しており、初年度5千万円、5年後には3億円程度の売上げを見込んでおります。

ピニトールは、米国FDA、韓国KFDAにおいて登録されたサプリメント原料です。ピニトールは、血糖値調整に関するヘルスクレーム*3も認可されており、当社の親会社であるツジコー株式会社(滋賀県甲賀市)が、植物体からピニトールを抽出する技術を特許申請しております。

また、共同研究機関である産業技術総合研究所が実施した小動物を用いた実験では、アイスプラントの寿命延長作用や生活リズム改善効果なども確認されており、今後学会発表などにて随時公表して参ります。


(*1) ピニトールとは、イノシトール(糖アルコール)の1種で、グルコーストランスポーターの亢進作用を有することから、血糖値改善が期待される機能性素材です。

(*2) ストレス負荷栽培方式とは、環境制御型植物工場において、温度・湿度などの外部環境を植物に対してストレスになる様、条件設定し植物を栽培する方法です。日本アドバンストアグリ株式会社の親会社であるツジコー株式会社がPCT国際特許を申請しております。

(*3) ピニトールは、KFDA(韓国食品医薬品局)で、血糖値調整に有効な機能性食品原料として健康強調表示(ヘルスクレーム)することが認可されています。


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