ドーム型植物工場システムを開発するグランパは、山梨県北杜市に40棟のエアドーム型の温室ハウスを設置し、来年春から順次、レタスの水耕栽培を始める。
グランパにおける野菜の生産を行う農業生産法人「グランパファーム」と地元の地権者が出資して設立したドームファーム北杜が運営する計画。
北杜市・白州町の遊休農地を含む10ヘクタールの農地を農業振興公社から転借する。山梨県による圃場の区画整備を待って来年2月に設置を開始、8月までに40棟を完成させる予定。
生産施設は、直径29メートルのエアドーム型ハウスで1日1棟当たり45キログラムを収穫し、40棟で月産54万株規模を見込む。袋詰めやカット加工する貯蔵・加工施設も整備し生産も含め80人を雇用する。
大手流通業は1年を通じ一定の価格で安定的に仕入れ量を確保したいニーズが強い。取引先を1社に絞る方針で、1キログラム当たり900円以下での供給を目指す。
グランパが独自に開発した円形の植物工場は透光性に優れたフィルム素材を使い、苗を植えてから収穫まで年間平均約30日と、1年12回転する。北杜市の昨年の日照時間は2317時間と全国でみても長く、高い生産性が期待できる。
レタス産地のため栽培に適した室温を維持するコストを抑えられ、良質の水が豊富なことや首都圏の大消費地に近いことから、大規模投資に踏み切る。
事業費は総額16億円を見込んでおり、農水省の産地再生関連施設緊急整備事業を活用する。グランパは神奈川県秦野市でレタスを年間160トン生産。
岩手県陸前高田市では復興支援につなげるため8棟を設置、今夏に稼働させた。北杜市の新工場は両施設の生産能力を大幅に上回り、レタス栽培では最大級となる。
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