国場組(那覇市、国場幸一社長)は琉球大学などと共同で、微生物を活用し土壌を浄化する技術の開発に着手した。土壌に養分を加えて微生物の分解作用を活性化するもので、養分には黒砂糖の製造に使ったサトウキビのカスなど廃棄されていた地元資源を再利用する予定。2014年度までの実用化を目指す。廉価な土壌浄化技術を確立することで海外展開も視野に入れる。
浄化技術は「バイオスティミュレーション」と呼ばれる方法で、もともと土壌に生息している微生物に養分を与えて活性化し、石油や薬品など有機物の分解を促進する。微生物の養分には、琉球石灰岩や製糖に使用したサトウキビのカス、泡盛製造の過程で出た廃でんぷんなどを検討。12年度中に汚染土壌や微生物の特徴を調査。13年度には最適な養分を選定する。
サトウキビのカスといった県内の未利用資源を活用、1平方メートル当たりの処理費用を1万〜3万円程度に抑える。当面はガソリンスタンドや自動車整備工場の跡地などでの利用を想定。
同社は「今後は米軍施設の返還などで、大規模な浄化処理需要が出てくる」とみている。現状では、汚染土壌を沖縄県外に搬出して加熱するといった方法がとられていた。そのため、処理には運搬コストがかかり、処理費用は1平方メートル当たり5万〜7万円程度に上るという。
沖縄県は土壌の性質や気候条件が本土と大きく違っており、同県内での浄化技術も未確立だった。同社は植物を植えて重金属を除去する技術も研究している。新技術の実用化後、17年度をめどに、気候環境が似ている中国本土や東南アジアにも同様な浄化技術を売り込む。(参考:日本経済新聞より)
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