花と緑に関する事業を展開する第一園芸株式会社(三井不動産グループ)の環境緑化・空間装飾ブランド「OASEEDS(オアシーズ)」が独自に算出した「植栽ボリューム指数」と「緑視率」が、三井デザインテック株式会社の新本社『CROSSOVER Lab』に採用された。
オフィスの多様な機能に合わせた適切な緑のボリュームとは?
近年注目されている空間デザインの手法に「バイオフィリックデザイン」があります。
これは「人は自然と触れ合うことで、健康や幸せを得られる」というアメリカの生物研究者エドワード.O.ウィルソンが1984年に提唱したバイオフィリアの考え方を空間デザインに採り入れたもので、オフィスのデザインにも多くの緑が採り入れられるようになってきました。
今回、第一園芸ではバイオフィリックデザインをさらに推し進め、「オフィスの機能に応じた適切な緑のボリュームがあるのではないか?」という視点に立ち、独自に「植栽ボリューム指数」と「緑視率」を算出し、三井デザインテック株式会社の新本社のデザインを行いました。
<第一園芸が独自に算出した2つの指標>
エリアの機能に応じた植栽ボリュームと意匠デザインを実現した新オフィス
三井デザインテック株式会社の新本社『CROSSOVER Lab』はDrive、Co-creation、Communityの3つのエリアと、その3エリアをシームレスにつなぐCROSSOVER ROADが設定されています。
エリアの機能に応じた植栽ボリュームを設定し、様々な植栽スタイルを組み合わせて意匠デザインを行いました。インテリアとの調和やメンテナンス、ランニングコストにも配慮し、部分的にフェイクの植物も取り入れています。
空間に対する適切な植栽量を独自に算出した「植栽ボリューム指数」
植栽面積と樹高の2つの要素を考慮して、それぞれの植栽のボリューム係数を設定。空間内の緑のボリューム係数の合計を床面積で割った結果を「植栽ボリューム指数」として、空間における植栽ボリュームを数値化しました。
植栽ボリューム指数を活用することで、オフィス機能に応じた適切な緑のボリュームを算出し、配置を検討することができます。
実証実験の結果、リラックス空間に最適な「緑視率」を6~8%と算出
適切な緑視率の植物が配置された空間は、人の交感神経と副交感神経のバランスをとり、リラックスした状態をつくる働きがあります。第一園芸では独自の実証実験を行い、適切な緑量を検証しました。
その結果、緑視率6~8%が最も自律神経のバランスが理想的な状態になった人の割合が多くなりました。
無駄に緑を増やすのではなく、適切な量を採り入れることで、コストも削減することができます。三井デザインテック株式会社の新本社ではこの数値に従い、空間の機能に応じて適切な量の緑を配置しています。
【実証実験概要】
緑視率0%、6~8%、11~14%の環境で、指先脈波による計測で「心の柔軟性」「ストレス度」「リラックス度」「心拍数」「疲労度」を分析。
検証場所:三井不動産株式会社ビルディング本部
検証期間:2019年11月中旬~12月下旬
<共同実験者>
長崎大学大学院工学研究科 源城かほり先生
豊橋技術科学大学 名誉教授 松本博先生
社員コミュニケーション促進のため、銀座のオフィスでは珍しい屋外菜園も提案
2020年10月に2つの会社が合併し、新たに始動した三井デザインテック株式会社。「新本社移転を機に、社員コミュニケーションを促進したい」というニーズに応え、3階屋外テラス SORANIWA(空庭)での屋外菜園の実施を提案しました。
銀座のオフィスでは珍しい試みですが、第一園芸がシーズンごとにコースを企画し、植え付けや管理の講習会、必要な道具も用意してバックアップするので初心者でも安心して育てることができます。
SORANIWAの両サイドにはシンボルツリーを配し、ビル間の影部分のため日照不足に耐えうる植物としてオリーブとフェイジョアを植栽。植栽の美しさに加えて数年後から収穫も楽しめます。
また、社員が自ら手をかけ育て収穫した野菜や果実を味わうイベントなども企画しています。
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