米国ケイリックス社、植物工場向けにAIを活用したLEDシステムの開発へ

 米国ケイリックス・カルティベーション社は、完全人工光型植物工場向けに、AI(人工知能)を活用した植物育成用LEDシステムに関する特許を取得した。

概要技術としては、植物の育成と高栄養化を同時に実現する最適な光環境を、植物の育成サイクルに合わせて、自動で調整してくれるもの。

本来、植物の最適波長や光量などは、品種だけでなく、同じ品種であっても成長ステージ(種子、苗、収穫前など)によって最適条件が異なる。

こうした異なる条件に合わせるため、一部では調光が可能なLED照明を採用している施設もあるが、調光型LEDの導入費用が高額なために導入が難しいのが現状であるが、同社の特許技術では解決ソリューションの一つになるだろう。

米国ケイリックス社、植物工場向けにAIを活用したLEDシステムの開発へ
同社は、照明器具や抗菌・消毒関連ビジネスを手掛ける企業のスピンオフ・ベンチャーとして、植物工場に特化したビジネスを展開するために2018年に新設された。

2016年から社内にて、アグリテック分野への進出を検討しており、調査や研究開発を進めてきた。新設にあたり、社内の研究施設では、4段の完全人工光型植物工場にて、葉野菜やハーブだけでなく、イチゴやトマトの栽培も行い、細かい科学データを取得・蓄積してきた。

今回の技術は、あくまで社内における研究施設での結果を基にしたもので、大規模な栽培施設にて、そのまま活用できるとは思われないが、将来的には有望な技術シーズの一つである、といえる。