パキスタンでも、完全人工光型植物工場による野菜の生産・販売を行うベンチャーが出現した。施設は小規模で栽培ノウハウも不足しているが、欧米だけでなく世界各国で、植物工場の将来性が期待されているようだ。
今回の施設は、パキスタン最大の都市であるカラチにあり、紡績工場の最上階を改装したもの。主に、4段の多段式にて生産しており、塩ビパイプによるポット栽培では、全体で2,500穴(2,500株)にて野菜を同時に栽培できる。
栽培品目は、ケールやパセリ、ローズマリーのほか、ミニチンゲン菜などを生産。非常に小さな施設であり、品目によって異なるが播種から「45~60日」が必要となり、空いているスペースでは、ベビーリーフ・マイクログリーンをバットで密植栽培している。
養液栽培による完全循環式で、培地はココピートを採用(ポット栽培にて)している。例えば、日本ではウレタン培地が圧倒的なシェアを持つが、世界2番目の施設数を誇る米国においても、人工光型の植物工場にてココピート培地を採用する施設の方が多い。
現状では栽培ノウハウも不足しているが、今後は商品の販売に力を入れながら、将来的には大規模な施設の建設も計画している。収穫された野菜は、カラチの都市エリアにあるレストランやスーパー、病院などに販売していく、という。
参考URL: A futuristic vertical farm now blooms in Karachi’s old yarn factory
https://www.arabnews.com/node/1561866/pakistan
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