NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は、株式会社クボタと連携し、日本で初めて、稼働中のごみ焼却施設において、ディープラーニングを活用した実証実験を行い、燃焼時に発生する蒸気量をリアルタイムに予測することで廃棄物発電の安定化を目指す。
SDGsにおけるエネルギー問題の観点から、ごみ焼却時に発生する熱を活用した廃棄物発電は注目されており、再生可能エネルギー創出の高度化、効率化に向けた第一歩となります。
背景
ごみ焼却施設においては、ごみが燃焼する際に発生する熱から高温高圧の蒸気をつくり、蒸気タービンを回転させることで発電を行う廃棄物発電が進んでいます。
しかしながら、投入するごみの性質や形状により、蒸気量が変化することに加えて、蒸気量の制御に関係するパラメーターが多数存在しているため、蒸気量を制御することが難しく、安定的な発電ができていないのが現状です。
NTT Comは、製造業をはじめさまざまな業界のお客さまとディープラーニングを活用した取り組みを進めています。今回、2016年より「農業・水・環境インフラ分野におけるICTイノベーション創出に向けた連携協定」を結んでいるクボタと共同で実証実験を行い、稼働中のごみ焼却施設における廃棄物発電の安定化を目指します。
実証実験の概要
NTT Comが開発したAI解析ツール「Node-AI」を用いて生成したごみ焼却の予測モデルを、時系列アトリビューション解析技術を使ってごみ焼却におけるさまざまな工程の可視化を行うことで、ごみ焼却に関するクボタの知見と照合することが可能になりました。
これにより、約300に及ぶパラメーターの中から重要なデータを絞り込み、蒸気量の変化の傾向を捉えるための分析処理を行うことで、1分先のごみ焼却状況に関する予測モデルを生成しました。
加えて、この予測モデルを適用した予測システムを構築し、稼働中のごみ焼却施設に導入することで、運用者が常に1分先の蒸気量をリアルタイムにモニタリングできる環境を構築しています。
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