住友化学は、オーストラリアの大手農薬会社ニューファーム社との間で、同社グループが所有するブラジルの子会社1社、およびアルゼンチン、チリ、コロンビアの子会社3社の全株式を、それぞれ当社子会社である住友化学ブラジル社と住友化学チリ社を通じて取得することで合意した。
南米地域は、現在、世界の農薬市場の約25%を占めており、北米や中国を上回る市場規模となっています。
世界最大の農薬市場であり特に大豆用の需要が多いブラジルや、世界有数の農業国であるアルゼンチンがあることから、世界の食料需要増加を背景に、同地域での農薬市場のさらなる拡大が予想されます。
住友化学は、1988年にベーラントU.S.A.社で農薬の開発・販売を開始して以降、北米地域で確固たる事業基盤を築き、現在では当社農薬の売上の約30%を同地域で上げています。
また、2010年にニューファーム社へ出資、包括的事業提携を開始して以降、世界31カ国で販売提携を中心にシナジー効果を生み出してきました。
一方で、2016年にインドの農薬会社を買収、さらに同国内の当社子会社と合併し上場手続きを進めるなど、グローバルフットプリント(自社の販売網)の拡大にも注力し、世界的に事業を展開してきました。
今回の買収によって、南米地域における住友化学の農薬売上高は約3倍となり、北米地域を上回る規模になるとともに、世界最大市場であり高い成長が期待される同地域に確固たる農薬の自社販売体制を構築できることから、当社が進める一連のグローバルフットプリント整備が大きく進展します。
また、当社が独自に開発したダイズさび病などに高い効果を示し2020年以降に市場投入を予定している新規殺菌剤(一般名:インピルフルキサム、有効成分商標:インディフリン)については、ニューファーム社と共同で進めてきた同剤を用いた新規混合剤開発を一層加速させ、製品ラインナップを拡充していきます。
そうすることにより、今回強化する南米地域でのグローバルフットプリントを活用し、上市直後からインピルフルキサムの販売を確実に積み重ねることで、同地域での飛躍的な増収につなげていく考えです。
加えて、南米地域に新たに製剤拠点を獲得できることから、既に当社が保有している圃場を併設したブラジルの研究開発拠点と合わせて、開発から製造、販売まで一貫した事業運営を実現していきます。
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