JA全農、NTT東日本、NTTアグリテクノロジーは、JA全農が運営する太陽光利用型植物工場「ゆめファーム全農」において、IoTを活用した農作業者の健康管理・労務管理を通じ、農業経営を支援する実証実験を開始する。
本実証実験では、IoTを活用し、身体にかかる負荷を計測・可視化することで、管理者への注意喚起や適切なタイミングで休憩を促す等の措置を行います。
また、農作業者の作業箇所・作業時間等の可視化もあわせて行い、最適な労働環境や適正な労務管理を行う仕組みを提供し、安心安全・効率的な農業経営の実現をめざします。
背景と目的
国内の少子高齢化に伴い農業従事者は減少傾向(※3)にある一方で、地域の担い手農家を中心に農業経営の大規模化、農業法人化が進み(※4)、農業経営においては従業員を雇用し、労働力を最大限に活用することの必要性が増しています。
また、深刻な労働力不足の中、「農福連携(※5)」や「外国人技能実習生の受入」、また「地域の人材との連携」が持続可能な農業の実現に向けて注目されています。
こうした中、重要なのは、農作業者の健康や安全を確保し、かつ経営者や現場監督者と農作業者間の適切なコミュニケーションを促すことにより、作業計画の策定・見直し、作業者の適正配置や作業の標準化等の労務管理を効率的に行うことです。
今回の実証実験では、次世代施設園芸をフィールドとし、課題となっている高温多湿の環境による年間を通じた熱中症発症リスクや、広大な面積における適切な労務管理の解決をめざします。
IoTを活用することで、農業経営の高度化、省力化を推進し、多様な人材が働きやすい職場環境作りを後押しします。
※3 約30年間で農業従事者数は半減(農林水産省「2015 農林業センサス」)
※4 約30年間で農業法人数は約7倍に増加(農林水産省「指定農業者等に関する統計」、「担い手をめぐる情勢について」)
※5 障がい者等の農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を促す取組(農林水産省)
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