カタールの肥料・農業資材メーカーのQafco社、太陽光利用型植物工場を運営するAgrico社、さらには、ノルウェーを拠点に世界最大の窒素肥料メーカーであるヤラ・インターナショナルの3社は、共同プロジェクトにて、技術実証センターを稼働させ、現地の農業専門家や新規参入者向けのワークショップを開催した。
カタールのアル・ホールに建設された実証センターは、約4,000m2の太陽光利用型植物工場。カタールの過酷な気候条件でも安定生産ができるように、技術実証やショールームとしての役割の他、今回のような人材育成も行っている。現在の栽培品目は、主にトマトとキュウリを生産している。
同センターでは、一般的な環境制御の他に、技術ノウハウを持つ肥料や水耕施肥の幅広いコントロールにて収量・品質増を目指している。
室内の制御システムでは、ヤラ社が持つシンプルなオンライン・ソフトウェアを活用。このソフトウェアを利用することで、肥料の単肥から混合し、オリジナル肥料の自動計算や管理方法などをアドバイスしてくれる。
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Qafco社の前身は、1969年に設立された老舗会社であり、現在は窒素・アンモニア系の肥料製造を行っている。カタール国営石油会社を母体とするIndustries Qatar社(75%)と、Yara Netherland BV(25%)による共同出資ベンチャーとして改変された。
その他、Agrico社は2011年に設立したベンチャー企業。2015年からは、カタール現地にて太陽光利用型植物工場を稼働させ、野菜の生産・販売をスタートさせている。
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