株式会社アグリメディアは、電子機器製造の(株)メイコーと共同で、ベトナムでの農業ビジネスを開始する。首都ハノイの約5haの農地を使い、トマト、ピーマン、空心菜など約20の品目を生産する。
野菜は全て有機農法で栽培します。日本で有機栽培に関する様々な実績をもつ当社の栽培研究員を農場長として現地に常駐させ、その知見を活かした栽培を行っていきます。
メイコー社にとって農業ビジネスは新規事業となりますが、ベトナムでの生産工場運営を通した事業経験の高さを活かし、農地の取得や現地スタッフのマネジメント体制を整えました。
現在、試験的に栽培を(2018年2月から)行っており、今後、本格的に生産する品目の選定、栽培方法の早期確立を目指しています。
生産した野菜は、今秋からハノイ市内で販売します。まずは、富裕層や現地駐在員をターゲットにハノイのスーパーマーケットや有機野菜専門店、マルシェなどで販売を計画しています。
安心安全の担保が乏しい現地の野菜流通環境の中で、生産から流通までを一貫した“日本ブランド”で管理し売り出すことで、高付加価値の野菜として売り出します。
今年度は、栽培体制を確立させ、来年度に本格的に展開します。以降は、日本産農産物の現地での販売、人材関連事業、農業体験事業、外食等への展開も視野に入れ、2023年度には売上高14億円まで拡大することを目指します。
■昨夏から本プロジェクトをスタート、現地の2大課題を両者で解決
当社と、メイコー社の新規事業室は、昨年9月から事業検討を行い、今年4月から当社が農場長ふくむ2人のスタッフを常駐させ、現地スタッフと共に事業をすすめています。
検討開始から半年以上の期間をかけ、徹底した現地企業や農家へのヒアリング、事業計画の策定を行いました。
ベトナム国内では安心、安全な野菜のニーズが高く、また農業の「生産性」にも改善余地が大きくあることから、事業機会が大きいと判断し、このたび事業化へ本格的に動き出します。
また、現地では、多くの日本企業が農業参入を試みるも、現在大規模に事業を展開している企業はありません。リサーチの結果、多くは栽培体制の確立や現地の取引先との関係構築などに課題があることがわかりました。
今回両者がタッグを組むことで、その課題を解決し、現地での農業ビジネス拡大を目指します。
課題のうち「栽培体制の確立」は、国内の首都圏や関西など約80カ所の様々な条件下で、有機栽培の農園を運営している当社が、その経験を生かします。
また「現地の取引先との関係構築」については、現地に2007年から進出し、生産工場でのスタッフマネジメントや現地での事業実績が豊富なメイコー社の子会社・MTE社が担います。
■自社農場や市民農園など80農園で有機栽培のノウハウを蓄積
当社は自社農場や遊休農地を活用した市民農園「シェア畑」などで、自ら農園の整備・作付けを行い、無農薬の有機農法で年間40種程度の野菜を栽培および栽培支援しています。
現在80農園、約20haにまで規模を拡大し、耕作放棄地の整備や有機栽培のノウハウを蓄積しています。
また、飲食店と契約して、栽培した野菜を食材として提供しているほか、道の駅や農家レストランの運営なども手掛けており、栽培技術だけでなく、流通、販売含めた農業ビジネス全般の知見を保有しています。
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