ベトナム・ホーチミン市が農業の近代化プランを発表。農家平均所得を32万円以上へ

 ここ5年間でベトナム・ホーチミン市における農業は大きく変化している。ホーチミン市は現在、24の行政区画に分かれており、北から南まで40km以上もあり、郊外では以前として農業を生業とする人々も多い。

さらに都市中心部における経済発展により、多くの食品・小売企業が参入を果たし、ホーチミン市は大きなマーケットを持つ。

こうした背景を受け、地理的にも近い近郊農業(都市型農業)が再注目され、ハイテク農業による生産事業をスタートさせる事例も増えている。


ホーチミン市によると、2011~2015年の間に3,700名以上の農家やアグリビジネスの起業家が、それぞれの計画を事業化するために市のプログラムから補助支援を受けている。

こうした補助支援を通じて、農業の近代化・規模拡大にも成功し、4万5000人以上の雇用創出と農家の平均所得向上につながった、という。

カンザー地区では農業再編により飛躍的に成果を挙げている場所の一つであり、1ヘクタールあたりの農家収入は昨年、約150万円(3億ベトナムドン)を越えており、2010年と比較すると13%以上も向上している。


市では、2016~2020年までの新たな農業支援プランを発表し、農業の近代化・規模拡大を進めていく。プランでは、農業分野への投資を行い、事業化を進める個人・組織には、市から60~100%のローンによる利子を補助金によって補てんする支援を行う予定だという。

こうした支援を通じて、一人当たりの平均所得を約32万2千円(6,300万ベトナムドン)、1ヘクタールの農家所得を約410万円(8億ベトナムドン)以上を2020年までに実現する、という。