国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士が、機内の植物工場にて栽培したレタスを8月10日に収穫・試食した。
ISSでは、LED光源による水耕・噴霧栽培にて、ポリフェノール類のアントシアニンを多く含有するレッド・ロメインレタスを栽培した。光源は光合成に必要とされる赤・青波長を中心に、自然光に近い波長域を含めるために緑波長も加えられている。
収穫したレタスは宇宙飛行士が念のために軽く消毒され、最初は葉野菜本来の味を確認するために、そのまま試食。次にオリーブオイルとバルサミコ酢のドレッシングで食べた。今回の収穫量の半分は検査のために地球へ送られる。
ISSでは2002年から人工光型植物工場による栽培実験を行っており、実際に打ち上げられた機内にて2014年にはレッドロメインレタスを33日間かけて栽培し、無重力状態での発芽・栽培状況などを検査するために収穫物を全量・地球に送っていた。
今回は2回目の栽培実験となり、初めて宇宙飛行士が機内で試食することになった。
NASAでは火星など長期の有人探査に備えて、宇宙での自給自足に関する研究を進めている。近年では宇宙食の開発も進んでいるが、最終的には植物工場にて栽培された様々な野菜がサラダとして食べられる時代が来るのかもしれない。
※ 写真: NASAのWEBサイトより引用
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