カリフォルニア州の水不足が4年目に入った。特に今年は深刻な状況である。4月1日には州のブラウン知事が、使用量25%の節水を義務付ける発表を行った。過去にも一部の地域にて節水命令が発動されたが、州全域を対象にしたものは初めてである。節水は住民だけでなく、事業者や農家にも求められる。
例えば、住民が庭の芝生に水をまく日数は週2日に制限され、レストランには客が求めた場合を除いて水を出すことを禁じた。今回の規制は州全体におよび、ロサンゼルスやサンフランシスコなどの都市部も含まれており、州では、乾燥耐性のある芝生への切り替えを推進している。
というのも、カリフォルニア州の公共政策機関に所属するシニアフェローのエレン・ハナク氏によると、都市部における水使用量の約50%は、芝生や造園が占めていると推計されており(住民や事業所も含む)、こうした部分の節水対策も非常に有効であるからだ。
また最も深刻な影響を受けたのが農業分野である。カリフォルニア州は米国における一大農業生産地であるからだ。
例えば、米国内における野菜生産量の3分の1、果物やナッツ類の3分の2を同州が生産している。アーモンドなどは利益率の高い作物として、同州が世界の約8割程度の生産量をほこっている。
米航空宇宙局(NASA)は「州内の水源に残された水はあと1年分」と警告する。カリフォルニア大学デイビス校の試算によると、昨年だけで1万7,000人の雇用が失われ、経済損失は22億ドルに達した、という。
今年2月の失業率は、ロサンゼルスで7.7%、サンフランシスコが3.8%、サンディエゴ5.3%に対して、同州中央部(セントラルバレー)の農業生産エリアでは深刻であり、フレズノ郡が11.6%をはじめ、その他の地域も10%台の失業率となっている。
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