カゴメ株式会社は、三井物産株式会社と共同で、セネガルにおけるトマト栽培・加工事業準備調査にあたり、JICAの「協力準備調査(BOPビジネス連携促進)」に採択された。カゴメは太陽光利用型植物工場によるトマトの生産の他、種子開発から栽培、加工、販売に至るトマト事業の一貫したバリューチェーンを有する企業でもある。
【調査の背景】
セネガルの労働人口の過半数を占める農業従事者の多くは、農業生産性の低さから、貧困に苦しんでいます。主食である米も、低い農業生産性のため、輸入に頼っており、トマトも同様の状況です。
セネガルを含む西アフリカ諸国では、トマトペーストが基礎調味料として、食文化に深く根付いており、生活に不可欠な存在となっています。しかし、栽培技術が未熟なため、トマト栽培に適している気候であるにも関わらず、品質・価格の両面で市場競争力のあるトマト加工品を製造することが出来ていません。
加工用トマトの栽培単収(トン/ヘクタール)は、当社の主要産地であるポルトガルやオーストラリアでは、80~100であるのに対し、西アフリカでは、5~30と言われており、トマトペーストのほぼ全てを中国などからの輸入品に依存しています。今後、西アフリカ諸国では、人口増加に伴い、トマトの消費は更に拡大することが予想され、食料自給率の向上と農村部における貧困削減が大きな課題となっています。
【カゴメの取組み】
カゴメは、1899年の創業以来、トマト栽培を通じ長きに渡り農業振興に携わってきました。当社は、トマトの種子開発から栽培、加工、販売に至るトマト事業の一貫したバリューチェーンを有する世界的にも稀有な存在です。
また、2013年9月、グローバルにトマトなどの種子開発・生産・販売を展開している米国のUnited Genetics Holding LLCを連結子会社化し、海外における農業資源開発の強化を推進してきました。