植物工場によるホウレン草の生産と介護食向け加工施設を併設(しらかわ五葉倶楽部)

 ほうれん草の生産を目的とした完全人工光型植物工場と食品加工工場を併設した「しらかわ・きずな農場」が12月2日に完成した。同施設の運営元である株式会社しらかわ五葉倶楽部は、福島の農家が抱える風評被害を、農家自らの手で払拭することを目指し設立された、農産物等の生産から、加工、販売まで一貫して行う、6次産業化を目指す事業会社である。

植物工場によるホウレン草の生産と介護食向け加工施設を併設

 同社では今後、植物工場にて生産したほうれん草を、抗菌塗料などを用いて徹底した衛生管理を行う加工場において、高齢者でも食べやすい、なめらかな食感のムース食品を製造し、病院や介護施設等に対して販売していく。

また、きずな農場敷地内に高齢者向け福祉施設を併設し、介護で働くことが難しくなった方々でも要介護者を預けながら働く環境を提供することで、高齢化社会の先進事例となることを目指す、という。

具体的な事業としては、植物工場にて生産した年間100トンのホウレン草と共に、地元の契約農家が栽培するかぼちゃやトマトなどを用いて、年間750万食のムース食品を生産する。5年後に6億円の売上を目指し、地域の病院や介護施設に販売する他、地域住民への配食サービスも行っていく予定。

植物工場によるホウレン草の生産と介護食向け加工施設を併設

本事業の推進により、地元農家や、介護により就労が難しかった方を中心に30名を雇用していますが、今後、給食センターや配送センターなどの事業拡大に伴い100名の雇用も予定している。なお、本事業では東邦銀行の融資に加え、三菱商事復興支援財団から5,000万円の出資を受けている。