農機具のクボタ関連企業、新潟コシヒカリなどを海外市場へ輸出開始

新潟県稲作経営者会議による県産米の香港とシンガポールへの輸出を開始する初荷式が10月7日に開催された。輸出を行うのは新潟クボタの全額出資子会社である新潟農商となっている。

県内農家115軒と契約し、コシヒカリやこしいぶき等の米742トンのうち542トンが香港とシンガポールに送られる予定で、初荷式で扱った32トンは新潟港を出発し、今月下旬に現地に到着する。残る200トンはモンゴル向けという。

農機具のクボタ関連企業、新潟コシヒカリなどを海外市場へ輸出開始

県産米はシンガポールと香港の現地法人を通じて日本食レストランやスーパーに販売される計画。県食品・流通課の調べによると、県産米の輸出量は2004年度の4トンから13年度の697トンに増加。国から認定された今年産の輸出用の量は1532トンと計画されている。

クボタによる本輸出プロジェクトは2010年に新規事業としてスタートした。県産米を玄米として輸出し、現地に設立した子会社を通じて精米する『玄米輸出と現地精米』モデルに挑戦する。(写真:クボタ日本米輸出プロジェクトより)

香港統計局(2012年7月25日現在)によると香港では、シンガポールと並んで日本食が普及している国であり、飲食業の軒数では中国料理店が全体の30.3%(4,770軒)を占めるものの、国別の料理店ではイタリア、フランス、韓国などを抑え、日本料理店が全体の6.9%(1,080軒)を占めることから大きな市場があると判断した。

県産米の価格は競合する中国産やベトナム産などの2倍以上と高額だが、アジアの富裕層を中心に外食産業向け日本産米需要が拡大する中、同会議などは輸出事業に弾みをつけたいとしている。