長距離無線通信を活用した露地栽培向け農業ICTソリューションの実証スタート

 東日本電信電話、NECと農事組合法人和郷園は共同で、農家の生産性向上を目的とした効率的な農場監視システムの実現に向けて、農業ICTソリューションの実証実験を行う。
長距離無線通信により実現した、露地栽培向けのセンサーネットワークとメンテナンスフリーを実現した機器により、霜害等の自然災害への対策や農産物の品質向上を効率的に実現する。

NTT東日本とNECなど、長距離無線通信を活用した露地栽培向け農業ICTソリューションの実証実験を実施

 農業分野におけるICT活用では、温度や湿度を計測するセンサーを農場に設置し、それらを結ぶ通信ネットワークを構築してインターネットに接続することで、データ収集と見える化を実現する方法が一般的です。しかし、露地栽培の農場では、特にセンサーやネットワーク機器の電源確保や、飛び地になっている農場間の通信ネットワーク確立等の課題があります。

今回の実証実験では、NTT東日本が提供する長距離無線通信が可能なセンサーネットワークと、NECが提供する農業クラウドサービスを活用し、和郷園の管理する農場で実施する。
長距離無線通信では、センサーネットワークの通信距離を最大で数kmクラスとしたため、農場管理事務所から遠く離れた農場や飛び地となっている農場からでも、環境データを収集することが可能となっている。

露地栽培の農場に設置したセンサーから温度・湿度・照度のデータを収集し、インターネットを経由してクラウド上に蓄積することで、農場の環境情報をスマートフォンやタブレット端末等で簡単に確認可能な農業ICTソリューションの事業化を目指し、有用なデータの検証や効果的なデータの利活用方法の検討を行う、という。