総合マーケティングビジネスの富士経済では、13年6月から8月にかけて計画的な作物生産を見込み参入企業が年々増加の一途をたどる植物工場と、高度な施設栽培を始め農業ICT化などの栽培ネットワーク関連技術、環境負荷低減に寄与する農業資材などの市場動向を調査するとともに、注目民間企業25社の参入実態事例を取り上げ事業分析を行った。
同社の報告書「アグリビジネスの現状と将来展望2013」によると、太陽光利用型のDFT式栽培プラント(湛液型栽培プラント)は12年の8億円から13年7億円と縮小が見込まれる一方で、太陽光利用型のNFT栽培プラントは、12年の4億円から13年7億円と拡大が見込まれている。
この拡大にはトップシェアの三菱樹脂アグリドリームが大きく実績を伸ばしたことが影響しており、遊休地を活用したい企業や障害者雇用を目的とした企業からの引き合いも多く当面は一定の需要が期待される、という。
また、完全人工光型植物工場については、12年が29億円であったが、遊休地を活用した企業の農業参入の増加や、大学や研究機関、福祉施設向けの小規模プラント/ユニット案件が多く見られるなど、市場が拡大し、2013年見込みでは42億円となっている。
完全人工光型について昨年(2012年)と比較すると、プラント型、ユニット型共に導入件数が増加しているが、特にプラント型の成長率が11年比50%と高くなっている。その理由のひとつに挙げられるのは震災復興事業による補助金を活用した植物工場建設の増加であり、福島県川内村や白河市、宮城県多賀城市など東北地方で一日数千株出荷する大規模な植物工場が相次いで建設されたことである。
既に建設が内定している震災復興事業による案件もあるとみられ、東北エリアでは今後も新たな植物工場の建設が予想される。震災復興需要以外では、企業による遊休地の有効利用を目的とした植物工場への関心が高まっているほか、障害者雇用を目的とする事業者も見られる、という。
※ 詳細は報告書「アグリビジネスの現状と将来展望2013」をご参照下さい。
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