アイリスオーヤマが仙台の農業法人舞台ファームと精米事業の共同出資会社を設立。農商工連携による復興支援を目的に農業のビジネス化を目指す

生活用品製造卸のアイリスオーヤマは農業生産法人の舞台ファームと、宮城県仙台市に精米事業の共同出資会社「舞台アグリイノベーション株式会社」を4月末に設立する。農商工連携による復興支援を目的に、被災地を中心とした若者のビジネス参入の機会を提供し、TPPに影響されない農業のビジネス化を目指す。以下、同社によるプレスリリースを掲載しておく。


アイリスオーヤマ、仙台の農業法人と農業ビジネスの共同出資会社を設立

生活用品製造卸のアイリスオーヤマ株式会社(本社:仙台市、代表取締役社長:大山 健太郎)と農業生産法人舞台ファーム(本社:仙台市、代表取締役社長:針生 信夫)は、宮城県仙台市に精米事業の共同出資会社「舞台アグリイノベーション株式会社」を本年4月末に設立します。この新会社は農商工連携による復興支援を目的として、農業の競争力を高める農業改革(アグリイノベーション)をおこないます。

被災地を中心とした若者のビジネス参入の機会を提供し、これまで農作物として位置づけられてきた“製品”としてのコメを“商品”に変えることで、TPPに影響されない農業のビジネス化を目指します。

日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉の参加表明に伴い、コメを含む重要5農産品の関税撤廃や関税の引き下げが懸念されています。海外の低価格農産物に対抗できる日本の農業の競争力強化が課題となっており、政府は農業を成長産業と位置づけ、農林水産省も農業の6次産業化を促進するなど具体的な対策を必要としています。


今回設立する舞台アグリイノベーション株式会社は、野菜やコメの生産販売のノウハウを持つ舞台ファームと、製造技術と全国への販路を持つアイリスオーヤマの強みを掛け合わせた精米事業の会社です。農業改革をすることによって、農家にとって“適正利益を得られる安定事業”となる農業ビジネスを確立させます。

具体的には、若手大規模農業後継者に対して作付け等の営農指導、全量買付保証をするほか、低価格での肥料等の提供もおこないます。精米工場ではコメを低温精米・低温保存し3合ずつの小分けパックに袋詰めします。鮮度を保つパッケージでコメの品揃えをすることで、全国のスーパー・ホームセンター・CVS・外食チェーンなどへの幅広い導入を見込みます。


契約農家の募集は2013年4月から随時進め、2014年2月から精米・販売開始の予定です(※)。初年度売上は16億円、2014年は50億円、2015年は100億円を目標とします。今後は国内拠点の拡大や海外への輸出も視野に入れ、若手農業後継者の育成とビジネスモデルの構築によって日本の農業を世界に誇るビジネス産業に変えてまいります。

※2014年からの事業開始にあたり、舞台ファームの精米機を用いて年内からテスト販売をします。


■事業構想
【5つのアグリイノベーション】

・おいしさ
精米したての鮮度・おいしさを保つ脱酸素剤を封入した“新鮮3合小分け”パック
鮮度を保つ“玄米集荷”“低温精米”“低温保存”により新米の食味を維持

・流通
「銘柄米」「特別栽培米」など数十種類から選べる“品揃え”
店頭での鮮度管理がしやすい“スタンドパック形状”
精米から購入までのおいしさを保つ“フレッシュローテーション”による流通

・営農指導
肥料・農薬の共同購入による“低コスト農法”を実現し、適正利益を得られる事業へ若手農家を育成する

・金融
買付契約による“地元金融機関からの融資”

・6次産業化
敷地内にコメの試食・購入もできる“フードコート”併設
野菜・果物・肉など東北産の物産を販売できる“マルシェ(市場)”設置


【役割機能】
<アイリスオーヤマ>
・精米工場の運営
・パッケージの開発・ブランド構築
・流通マーケティング
(スーパー、ホームセンター、ドラッグストア、CVS、ネット通販など)


<舞台ファーム>
・仕入れ先開拓(契約栽培用農地と生産者の確保)
・農営指導(作付けなど)、トレーサビリティの管理


※ 詳細は同社によるプレスリリースをご参照下さいませ。